25話 ページ28
其れから、彼等の異能力、瞬発力、腕力等々、私は見ていった。
「有難う、なんとなくだが解った。今日は此れで終いだ。」
「では解散、と云う事で？」
広津の問い掛けに私はそうだ、と頷く。
では、と2人は部屋からそそくさと出ていこうとした。
「…すまん、携帯端末の番号だけ教えて呉れ。連絡用だ。」
2人が出ていくのを眺めていたが、ふと思い出し口を開く。
2人は無言で端末を取り出し私に画面を向ける。
…無愛想な奴らだ。
私も無言で端末を取り出し番号を登録する。
広津、織田、登録。
「もう行って良いぞ。…此れから、任務が無く時間が空いている時は私の訓練に来てくれ。…マフィアの為だ。」
「了解。」
短いが、返答を確認し、2人を送り出す。
…さて、情報を纏めようか。
…先ず広津の方だが、瞬発力がやや足りない。異能力の使い方は流石、一級品だ。
異能力以外の銃器等をもう少し扱えれば善いが…。
此れからは、異能力の更なる高みと、重火器の扱いを特訓だ。
そして織田。異能力、射撃共に申し分無いな。もう少し相手を疑う事を知ればより善い。隙を打つ為に蹴力があれば善いな。
此れからは、肉弾戦…主に脚力の鍛錬をしていくか。
私は胸ポケットから紙とペンを取り出しつらつらと文字を連ねる。
我ながら上から目線だが仕方ない。
ふむ、と独り言を呟いていると、後方から銃を構える独特の音が射撃場に響いた。
「…太宰、なんだ？」
「ふゥん、矢張り其れ位は解る様だね。織田作は何処だ？」
振り返る事無く会話を続ける。
太宰の冷たい声が耳に刺さった。
「…つい先刻帰った。太宰が遅いからだ。」
ち、と短い舌打ちが聞こえる。
織田が帰った、と伝えるや否や太宰は帰路を歩み始めた。
…随分と仲が良いようだな。
「待て。折角だから、実力だけ見せてくれ。先刻の2人もやっている。」
「…面倒。」
「やって貰わないと困る。」
私が太宰の目を見据えると、苛々とした様な顔で私を睨んでいたが、暫くすると深い溜息をついて銃を的に向かって構えた。
＿＿＿＿其処からはあっという間だった。
歴代最年少幹部の名は伊達ではない。
見事、としか云い様の無い実力に私は只々驚いていた。
体術が少し物足りないが、他は完璧だ。
「流石だな、幹部。」
「黙れ。」
…口の悪さには閉口だが。
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まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» こちらこそコメントありがとうございます。更新出来ると言いつつ遅くなってしまい申し訳ありませんT_T この作品を好きでいてくれる方がいるのだと実感でき本当に励まされます。ぜひこれからも読んで頂けると幸いです…！ (2021年7月15日 12時) (
レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - 更新ありがとう御座います！本当に素敵な作品ですのでどうか無理なさらずお書き下さい。いつまでも気長に楽しみにしております！ (2021年7月15日 0時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» わ！この作品を好きでいてくれる方がいてとても嬉しいです…！コメントとても励みになります！更新頑張ります、ありがとございました！ (2021年3月10日 10時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - お気に入りに入れ何度も読み返していたのでとても嬉しいです！！更新楽しみにしています！ (2021年3月10日 8時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - からすさん» あ、そうです…！そこに気付いて貰えて嬉しいです…！有難うございます。からすさんも、体調にお気を付けて…！ (2018年1月12日 23時) (レス) id: 00d4fdc1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるてん x他2人 | 作成日時：2017年8月3日 15時
