14話 ページ17
耳を揺らすような爆音が立て続けに3回。
下っ端の黒服ならもう息はないだろう。
「…今日が、11/16だといいのだが。襲撃されたのが、8時だといいのだが。」
ふと不安が胸をよぎる。
私が森に逢う条件は『私の渡した情報が確かだった時』のみ。
1日でもずれていたら、時間がずれていたらそれは『不確かな情報』。
嗚呼、地下牢と云うのは本当に不便だ。
昼か夜かも分からないせいで、時がどういう風に進んでいるのか検討もつかない。
今日が11/16ではなく、襲撃されたのが8時ではない。
その不安は初めこそ微かによぎる程度だったが次第に大きな不安となって私を呑み込んだ。
然し、幾ら不安に呑まれてもそれはどうすることも出来ない。
早く、銀の匙が襲撃を終え、太宰からの報告を待つ他ない。
はぁ、と大きな溜め息を洩らす。
すると、不意にドタバタと煩い足音が上から聞こえた。
その足音は徐々に大きくなっていく。
目を凝らしてみると、其処には“中也”の姿があった。
中也は息切れをし、肩を揺らしながら凛と立っていた
「…嗚呼、どうも。上はかなり騒がしいが、大丈夫か?」
「手前の、手前の云った事は正しかった。11/16、8時きっかりに黒服が襲撃された。」
私は中也の声を聞いて、胸を撫で下ろす。
良かった、過去は矢張り変わらなかった。
「それは、良かった。」
「此方としては良くねぇけどな。それより、手前は今から首領に逢う、云うなれば“客”だ。」
中也が淡々と言葉を続ける。
「こんなところに何時までも置いておく訳にはいかねぇ、着いてこい。」
近づいて、カチャカチャと錠を外す。
カチ、と音がして手の拘束が緩む。
「…有難う。」
小さく呟くと、『別に、当たり前の事だ』と素っ気なく返される。
カチ、と足の拘束も緩む。
嗚呼、自由だ、動ける。
謎に感動し、プラプラと手足を動かす。
「じゃ、行くぞ。」
ツカツカと歩き出す中也。
私もすぐ後ろに着いていこうと歩き出すが、フラフラと
「っ…!」
「なんだァ?如何した?」
中也の振り返った先には無様にも転けている私。
「…すまない、2日動かずにいていきなり動いたから上手く歩けなかった。少々待ってくれ。」
弱々しく頼むと、中也はチッ、と舌打ちをする。
そして不意にずかずかと近寄って来て__
私の手を、ぐいと引っ張った。
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まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» こちらこそコメントありがとうございます。更新出来ると言いつつ遅くなってしまい申し訳ありませんT_T この作品を好きでいてくれる方がいるのだと実感でき本当に励まされます。ぜひこれからも読んで頂けると幸いです…! (2021年7月15日 12時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - 更新ありがとう御座います!本当に素敵な作品ですのでどうか無理なさらずお書き下さい。いつまでも気長に楽しみにしております! (2021年7月15日 0時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» わ!この作品を好きでいてくれる方がいてとても嬉しいです…!コメントとても励みになります!更新頑張ります、ありがとございました! (2021年3月10日 10時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - お気に入りに入れ何度も読み返していたのでとても嬉しいです!!更新楽しみにしています! (2021年3月10日 8時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - からすさん» あ、そうです…!そこに気付いて貰えて嬉しいです…!有難うございます。からすさんも、体調にお気を付けて…! (2018年1月12日 23時) (レス) id: 00d4fdc1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるてん x他2人 | 作成日時:2017年8月3日 15時