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11話 ページ14

私が驚いて太宰(小)を見ると、彼奴は少し驚いた様な顔をした。




お前なんか、知らないって顔。






「…誰だい?」



「厭、私の事は知らなくて構わない。…それより銃を下ろしてくれないか?」





私が銃について触れた途端、太宰は驚いた様な顔からまたキッと私を睨んだ。





「悪いがそれは出来ない。何の目的か知らないが首領に逢わせる訳にはいかない。」





…成程なぁ。



太宰相手じゃ、私も勝てるか怪しい。






…でも、森には如何しても会わなければならないのだ。







私は思い切って脚を振り上げ、銃を蹴り上げた。





「っ!!」





上に上がった銃を太宰に盗られないよう、跳び上がってキャッチする。




「…よし、と。」




着地してちらりと太宰をみると、懐からもう1丁銃を取り出していた。





…こいつも面倒臭い奴だな






「私はこの銃を棄てる。何故なら闘いに来たわけでは無いからだ。」





殺気を放つ太宰を見つめながら私は銃を手放した。




…これで少しでも伝わればいいのだがな。






太宰は落ちた銃をちらりと一瞥して何も云わなかった。




いや、正しくは何も変わらなかった。

あの冷たい目も、取り出した銃口の先も。




やばい。


全然信用されてないな。



「こんなことしても何の証明にもならないよ」





太宰はそう云い放ち、私をキッと見据えた。



静かな時間が過ぎていった。


お互い何も云わず、ピクリとも動かず。





突然、何処からかドタドタと足音がしてきた。



ざっと10人はいるであろう大勢の足音に私は負けを悟る。





「…どうやら私の負けだな。」


「そんなの会った時から解ってたさ。」



憎たらしい言葉が私に突っかかる




「太宰幹部!太宰幹部!─あ、此奴ですね、侵入者!」




はぁ、と大きく溜め息をつき、両手を少しあげた



…ま、確かに解ってた。

太宰に勝てる訳ない。



「動くな!!少しでも妙な素振りをしてみろ、直ぐにあの世行きだ。」




沢山の銃口が私に向けられる




これはどう足掻いても死ぬな。





私はクス、と笑ってそのまま何も云わなかった。





「地下牢へ入れておけ。後で私も行く。」





地下牢、か。




森に会えるのだろうか。





「おら、行くぞ」


「解ってる。」





私は銃で武装した輩に囲まれながら薄暗い道を歩いていった。





……どうか、神が私に微笑みますように。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» こちらこそコメントありがとうございます。更新出来ると言いつつ遅くなってしまい申し訳ありませんT_T この作品を好きでいてくれる方がいるのだと実感でき本当に励まされます。ぜひこれからも読んで頂けると幸いです…! (2021年7月15日 12時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - 更新ありがとう御座います!本当に素敵な作品ですのでどうか無理なさらずお書き下さい。いつまでも気長に楽しみにしております! (2021年7月15日 0時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» わ!この作品を好きでいてくれる方がいてとても嬉しいです…!コメントとても励みになります!更新頑張ります、ありがとございました! (2021年3月10日 10時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - お気に入りに入れ何度も読み返していたのでとても嬉しいです!!更新楽しみにしています! (2021年3月10日 8時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - からすさん» あ、そうです…!そこに気付いて貰えて嬉しいです…!有難うございます。からすさんも、体調にお気を付けて…! (2018年1月12日 23時) (レス) id: 00d4fdc1e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるてん x他2人 | 作成日時:2017年8月3日 15時

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