8話 ページ11
「なっ…森……鴎外に………太宰治!!」
太宰の顔を見るや否や美しい顔を歪めて銃を向ける。
「お前だけは…お前だけは、許さない。」
引き金に指をかけ、発砲する。
大きな発砲音が鼓膜を震わす。
肝心の太宰はひらりと避けて少し笑っていた。
「やぁ、久しぶりだね、芙美子さん。銃の腕は前よりは上達してるじゃないか。」
にやにやと挑発的に笑いながら林に近づく太宰。
林の顔は怒りで震えて、太宰に殺意の念を送っていた
「おい、やめろ太宰。無闇に挑発するな。」
林と太宰の間にするりと入り込み、太宰を制止する。
…怒った人間というのは、どう豹変するか分からないからな。
「そうかい?まぁ涙香がそう云うならやめておこうか」
肩を竦めて1歩下がる太宰。
…太宰にしては珍しい、厭に感情的だ。
何時もは余裕そうに笑い飛ばしているだけの太宰がこんなにも露骨に挑発するなんて。
「煩い…異能力──風琴と魚の町──!」
──思案してる暇なぞ無かった。
林が叫ぶと同時に彼女の体に異変が訪れた。
頬にはポロポロと鱗が浮かび上がり、腕には鋭いヒレ。足は硬そうな水かきが付いていた。
「半魚人化…か。」
髪は金色に変わり、瞳は淡い水色。
変わり果てた彼女の姿はむしろ…
むしろ、
「人魚………」
美しい彼女だからこそ、思えたことだろう。
ぽろりと漏れた一声に林がキッと睨む。
「そんなにいいものではないわ。…黙ってて。」
黙ってて、と云う言葉と同時に林の姿が見えなくなる。
否、見えなくなったのではない。
あまりに速すぎて見えなかっただけだ。
…動体視力には自信のあった私だが、それでも追いつけない程速かった。
「消えろ!!」
腕のヒレを太宰の喉笛に突き立てる。
異能解除されない様に衣服の上から触り、ヒレをスレスレまで近付ける。
「おお…怖い怖い。」
クスリとうざったく笑う太宰。
「煩い。」
ピリリとした空気が張り詰める。
殺気が心臓を刺して動けない。
すると不意に太宰が口を開く。
冷たく笑って、林に話しかける。
「…そんなに殺気を放たないで呉れ給え。
─────私の息を止めても君の子供が死んだことは、変わらないだろう。」
────────────
ご無沙汰してました…!
これからはもっと頑張ります(*'ω')
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まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» こちらこそコメントありがとうございます。更新出来ると言いつつ遅くなってしまい申し訳ありませんT_T この作品を好きでいてくれる方がいるのだと実感でき本当に励まされます。ぜひこれからも読んで頂けると幸いです…! (2021年7月15日 12時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - 更新ありがとう御座います!本当に素敵な作品ですのでどうか無理なさらずお書き下さい。いつまでも気長に楽しみにしております! (2021年7月15日 0時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - 鯖の味噌煮さん» わ!この作品を好きでいてくれる方がいてとても嬉しいです…!コメントとても励みになります!更新頑張ります、ありがとございました! (2021年3月10日 10時) (レス) id: 1c66422c77 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮(プロフ) - お気に入りに入れ何度も読み返していたのでとても嬉しいです!!更新楽しみにしています! (2021年3月10日 8時) (レス) id: 2d6934bde3 (このIDを非表示/違反報告)
まるてん(プロフ) - からすさん» あ、そうです…!そこに気付いて貰えて嬉しいです…!有難うございます。からすさんも、体調にお気を付けて…! (2018年1月12日 23時) (レス) id: 00d4fdc1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるてん x他2人 | 作成日時:2017年8月3日 15時