金髪オオカミ男子

▽噂の彼 ページ1

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「 ねぇ知ってる？一組の... 」


「 あ〜、橋本くんでしょ？ 」


「 また他校と喧嘩したみたいだね 」







騒がしいお昼休み

廊下の至る所から、同じ名前が何度も聞こえる



噂の彼の名前が







里花「 A〜？お昼食べるよ？ 」


『 あ、うん 』







友達の里花に誘われて、

いつものように屋上へと向かう







里花「 どうした、ぼーっとして 」


『 えっ？...ぼーっとしてた？ 』


里花「 まぁいつものことか 」


『 ちょ、里花ひどい 』




里花「 もしや、... 橋本？ 」


『 ...うん、 』







同じクラスの橋本涼くん




ギラギラしたアクセサリーは付けてないものの、


少し着崩した制服に あの金髪頭

二年連続で起こした他校との喧嘩



そのせいで校内では「 暴力男子 」というイメージが

がっちりとついてしまった







里花「 Aと唯一中学同じだった奴？ 」


『 そうそう 』


里花「 中学でもあんな感じだったの？ 」


『 ...いやぁ、 』







たしかに中学の時から少しやんちゃではあったけど、、


他校と喧嘩するくらい 暴力的で

怖い人ではなかったはず







『 ...って言っても喋ったことないけどね 』


里花「 そりゃそうだよ！あんな一匹狼 」


『 一匹狼、、、 』







里花の絶妙なネーミングセンスに

思わず ふふっ、と笑顔になった







クラスでも控えめな 内気で人見知りの私と、


いつも一人でいる金髪で暴力的な彼





友達が少ない(彼に友達がいるのかは分からない)

ところは似てるかもしれないけど、


接点なんてものがなかった私たち







里花「 まぁ私たちには関係ないからね〜 」


『 そうだよね、 』


里花「 ほっとくのが一番！ 」







所詮他人事。

私たちには関係ない。




そう思っていた私は、まだ気楽だった







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