第1回ホントのエース�� ページ8
そういって三橋くんは顔を俯かせてしまった。
下を向いているから表情は読めないけど
声が少し震えているのはわかった。
阿「･････。泣かすようなこと言った？」
「いや、言ってないと思う…けど。」
小さく阿部くんと話をしていると
聞こえていたのか三橋くんが声をあげた。
三「ちが････。投げても･･･イミ、ないから･･･。」
投げても意味ないって･･･。
「どうして？」
涙を拭って小さく返事をした。
三「･････球、おそい･･･････から。」
ちらりと阿部くんを見ると阿部くんはジッと三橋くんを見ていた。
阿「ンな的はずれな期待はしてないと思うけど
補欠だったの？」
首を振るってことはレギュラーだったってことで。
球が遅いけどレギュラーだった？？
阿「なんだレギュラー？どこ中？」
何気ない質問のはずだったけど
三橋くんは少し答えづらそうに見えた。
「三橋くん？」
三「･･･････････････････三星。」
三星？あれ、確か翠が通っているのって三星だったような…。
阿「ミホシ････。知らないや。
知ってる？」
栄「しらないなー。」
「群馬の…。」
志「三星学園かな？」
私と志賀先生が声を揃えて言うとおどおどしながら
小さく頷いた。
三橋くん、三星出身だったんだ。
阿「お前群馬県民なの？」
田「越境！？
外人部隊だ！カックイー！」
志「あそこ高校まであんじゃないっけ？」
そこから三橋くんは皆に囲まれしまい
返答ができなくなってしまった。
そりゃ一つ答える前にあれこれ質問されたらどれから答えていいかわかんなくなるよね。
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作者名：杏仁たぬき | 作成日時：2019年10月21日 21時
