Week End 2 (ページ40)

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『できた～～』ﾆｺﾆｺ

そんなこんなでクッキーが出来上がった。

『疲れた！』

『味見したい』ﾆｺﾆｺ

そう言って伊沢さんは、口を開けながらこっちを向いてきた。あーん待ち、ということなのか。それにしてもさっきからずーっとニコニコで、今日は一段とご機嫌なのだろう

クッキーの山から1枚つまみ、彼の口元に持っていく。するとクッキーは伊沢さんにパクッと食いつかれ、サクサクという音を出しながらあっという間になくなった

『ん～美味しい！』

「伊沢さん、今日は随分とご機嫌ですね」

『んふふ、』

『だぁって、あなた初めて拓司君って呼んでくれたじゃん？』

嬉しくてさ～、と片付ける手は止めずに言う彼。なるほど、今日ご機嫌だったのは名前で呼んでいたからか。よく考えたらずっと苗字で呼んでたもんな自分

「…え、はめたんですか！！？」

『んーん、』

…勝手にはまったってことか、と急に恥ずかしくなり思わずバッと背を向けてしまう

ｷｭｯ

すると、後ろからふわっとした感触が。どうやら先程背を向けた人物が私の背中に抱きついてる模様。その人物は後ろからキュッと抱き寄せ、前に回した手の片方で私の口の中にクッキーを放り込んだ

『…先生おいし？』

そう言って右肩からひょこっと覗き込んできた。口元のホクロがなんだかとても愛おしくて

「…おいしい」

『よかった』ﾌﾌｯ

『ねーぇ俺嬉しかったんだよ？』

口を尖らせた伊沢さんは、覗き込んだ顔をそのままコテンと私の肩に置いた

『たまには呼んでよ』

「…考えときます」

『やった』ﾌﾌｯ

「伊沢さんもう1枚食べますか？」

『…』

「…」

「…たくしく『たべる、』

「どーぞ」ﾌﾌｯ

『んま。カロリーのお味』

「それは言わないお約束ですよ」

『んふふ、』