〃 ymmt ページ4
『そろそろ寝る?』
「そうだね、寝よっか」
と、言って私達は部屋の電気を消して同じ布団に入る。初めての部屋、新品のベッド、まだピシッとしていて硬い布団、何もかもが真新しくて落ち着かない
『え〜なんかテンション上がるね』
ほぼ真っ暗の部屋。引っ越したばっかで家具が揃っておらず、カーテンの無い窓から月明かりが私達を照らしているだけ。
「なんかこの感じあれだね、修学旅行の夜みたい」
『ああぁ〜』
『それだぁ』フフッ
「懐かしい〜テンション上がったなぁ」
『じゃあこれからはずっと修学旅行の夜のワクワクがあるねぇ!』
とふにゃっと笑う山本
「…」
「あのさぁ、」
最初に声を出したのは私。話したと同時に壁側に寝返りをうった
『ん?』
「今までは昼間に基本会ってたじゃん。泊まったとしても1日だけだったじゃないですか」
『うん』
「私、頑張ってたんだよ」
「一緒にいる間だけは良いように見せようって」
『うん』
「でも、それはお外用に用意した私で、24時間一緒にいるってなったら話は別かもしれない」
『うんうん』
「ずっと気ぃ張ってるなんて無理だし絶対ボロが出る」
「表の私じゃない汚い部分もいつか見ることになると思う」
「っていうのがちょっと不安で、」
実は前から思っていた一緒に住む唯一の不安を独り言の様にこぼす。外面の私が本当の私じゃないこと。洋服もメイクもバッチリ決めた私も本当の私じゃないこと。ニコニコしてられない位イライラしちゃう時の私が本当の私だってこと
『…』
『…なるほどねぇ』
ベッドのきしむ音が部屋に響く
『…』
『僕思うんだけどさぁ』
106人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:reo | 作成日時:2020年3月2日 20時