〃 ymmt ページ44
「山本梅酒好きなの？」
山本の部屋に行くと、梅酒の瓶があったのだ
『うん、僕梅酒好き』
「美味しいよね、私も好き」
『飲む？』
「ううん、今日はチューハイの気分」
『中にあるよ？』
「ほんと？飲みたい」
『飲も飲も』
『はいかんぱ〜い』ﾆｺﾆｺ
「乾杯」
缶からプシュッと爽快な音が出る。1口飲むと、ふわっと鼻から桃の香りが抜けていった
「山本ってお酒強いの？」
『うーん…』
『強くも弱くもない、かなぁ笑』
『雫ちゃん強い？』
「ううん、弱い笑」
『そっか笑』
山本の梅酒からカランと氷の音が響く
お酒を嗜みながら談笑し、小一時間たった頃
『…』
ﾄｺﾄｺ
ｷｭｯ
彼が無言でこっちに歩いてきて、私に抱きついた
「酔ったでしょ」
『んー…』
肩に頭をすりすりしてくる。お風呂あがりのふわふわした髪の毛がくすぐったい
「山本」
『んー？』
「くすぐったい」
『んふふ笑』
と笑ったまま離さない彼。いつもの愛くるしい笑顔でむぎゅっ、と効果音のつきそうな抱きしめ方とは違う。妖美な、絡みついてくるような、そんな抱きしめ方の彼に困惑する
「そろそろ寝よっか？」
彼はと言うと私の肩に顎を乗せ、うとうとしている。もう眠いのだろう
『んー…』ﾑｸｯ
寝ぼけ眼で目を擦り、こっちを向く彼
「ほら、寝よ？」
『しずくちゃん、』
「ん？」
ﾁｭｯ
「…！！」
『んふふ、』
目の前には顔を赤らめ、へらっと笑う彼
『あ、』
『ちょっと、もものあじだ』
「え、ちょ、まってまって」
『なぁに』
激しく動揺する私とは裏腹に、こてんっと首を傾げる彼。くそう、こんな時でもあざとさは全開か
「え、その、ちゅ、ちゅーを…」
『もっかいしたいの？』
「いや、そうじゃなくて、その」
『じょうだんだよ』ﾌﾌｯ
そう言ってにひっ、と笑った。こんな時でも弄ばれる自分のチョロさに情けなくなる
『ねるんでしょ？いっしょにねよ』
「あ、うん」
『…』
『しずくちゃん』
「…」
『しずくちゃん？』
彼は名前を呼びながら顔を覗き込んできた
「…っあ、はい！」
『ふふふっ』
『どうようしすぎだよぅ』
「いやだって、あ、どうしたの？」
『ううん、』
『だーいすきっていいたかっただけ』
と言って私の首にぎゅっと抱きつく彼は、カクテルなんかより数百倍甘かった
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reo(プロフ) - 腹筋さん» わぁありがとうございます!!(；；)これからも頑張ります…!! (2020年2月11日 21時) (
レス) id: 6d42792b07 (このIDを非表示/違反報告)
腹筋 - どのお話も空気感がとっても好きです。毎日読んでは癒されてしまいます！素敵なお話をありがとうございます！ (2020年2月11日 19時) (レス) id: a7d0ab14cc (このIDを非表示/違反報告)
クロ(プロフ) - 凄く文章が自然で楽しく読ませて頂いています…！山本さんと旅行行く話の女の子とても可愛かったです！良ければでいいんですけど同じ人物でどこかで書いていただけないでしょうか？？ (2020年1月10日 19時) (レス) id: 1340a6aafd (このIDを非表示/違反報告)
reo(プロフ) - ナナシさん» ありがとうございます、、！！ (2020年1月6日 10時) (レス) id: c4c1eadbfe (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - めっちゃ好きな感じの書き方でびっくりしました。更新楽しみにしてます！ (2020年1月6日 2時) (レス) id: cbbd2e7772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：reo | 作成日時：2020年1月2日 23時
