【0048】希望の星になれ・７～76期研究生～ (ページ32)

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Aの瞼がゆっくりと開く。
ぼんやりとした意識がはっきりしてくると自分が暗闇の中、階段の上に立っているのに気づいた。

A「！？(あれ？私藍花星にいたよね。ライブが成功して、それで…確か倒れて…)」

今は熱を感じず体調は良い。驚きながら辺りを見渡す。
自分は螺旋階段の途中に立っており、周りにいくつもの同じ階段があって上に向かって続いている。その先の空中に立体映像のような物が見えた。

A(あれって…)

映像と思われるものは光溢れるライブだった。
00劇場と瓜二つのステージでライブ衣装を着た歴代センターノヴァが歌い踊っている。周囲にいるキララ達が眩く輝いていた。

A(ここって前に夢で見た所？でも前は螺旋階段はなかったはず…)

あ「お疲れ様」

頭上から声が聞こえ、顔を上げると螺旋階段に13代目あっちゃんが微笑みながら立っていた。彼女はコツン、コツンとブーツの音を小さく響かせながら階段を降りてくる。

あ「熱が出た状態でよく最後まで頑張ったね」

A「……13代目あっちゃん…さんですか？」

あ「うん。あっちゃんでいいよ」

ふふ、とあっちゃんは大人びた笑みを浮かべる。

A「あの…ここはどこですか？それと、その……これは夢なんですか？夢、のはずですよね？」

Aは自信なさげに聞いた。夢なのか？、と聞きつつもただの夢ではない気がするからである。
あっちゃんは目を丸くしてきょとんとすると、クスクス笑いながら返事をする。

あ「夢じゃないよ。現実とも言えないけどね。ここがどこなのかは今は内緒」

あっちゃんは悪戯っぽく笑った。

A(このあっちゃんは本物？ほんとに？私あの13代目あっちゃんと話してる！？)

行方不明になっていた13代目あっちゃんと話しているということにAは驚きを隠せない。

あ「―――まずは襲名おめでとう。やっと夢が叶ったね」

A「ありがとうございます…」

あ「あなたが辛い思いや悔しい思いをして心折れそうになっても、諦めずに努力し続けるのを私達はずっとここで見ていたよ。だからあなたの努力が報われて私達も嬉しいし、私が受け継いだ名前を次に継いでくれて嬉しい」

A「…襲名した実感はまだわかないんですけど、でもあっちゃんの名前を汚さないように頑張ります」

あ「大丈夫よ。私はあなたなら私を超えるあっちゃんになれると思ってるの」

あっちゃんはAの目の前に来るとそっと手を握った。