【0048】希望の星になれ・７～76期研究生～ (ページ29)

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凪「ママー！！」

　凪沙はセリーを加速させ両親の元へ行くと、母親に駆け寄り泣きながら抱きついた。母親は優しく微笑みながら娘の頭を撫でる。

凪「会いたかったよママァ…」

凪沙母「素敵だったわよ、凪沙」

凪「ほんと？」

母親の褒め言葉に嬉しそうに笑うが、後ろに立っている父親の姿を見て母親の背に隠れた。父親は自分の為に牢獄に入れられていたことに罪悪感を感じながらそろそろと顔を出す。

凪「パパ…。ごめんなさい、私…」

凪沙父「なぜ謝る」

凪「え？」

凪沙父「お前の信念はただ謝ればすむ、その程度のものだったのか」

凪「！それは…」

智恵理が後ろで凪沙を見守っていると、インカムにゆきりんから通信が入った。

ゆ『館長代理より総員に告げる！上空にDESの増援艦隊出現。これ以上はファンが危険なため速やかに撤退にせよ！』

凪「え！もう撤退って。せっかくまた会えたのに…！」

凪沙父「行きなさい。お前は一度この星を捨てて出ていった」

厳しく言われ凪沙はしゅんと視線を落とす。

凪沙父「…それだけ強い思いがあるのならこんな所で立ち止まるんじゃない」

凪「パパ…！」

だが厳しくも優しさがこもった応援をされ、顔を上げぱっと笑みを浮かべた。

凪沙母「行ってらっしゃい、凪沙」

凪「ありがとうママ。ありがとうパパ！」

凪沙は母親から離れると一礼して歩きだすが、途中で足を止めた。両親のそばにいたい気持ちを必死に押さえ、涙をこらえ唇を固く結ぶ。

凪沙父「振り返るな！振り返らず先を行け！！」

凪「…！(パパ、ママ…！)」

父親の叫びに凪沙は涙を零しながら駆け出しセリーに飛び乗り飛んでいく。智恵理は後を追いかけアンコール最後の曲『約束よ』を手を繋いで歌いながらフライングゲットに向かった。

織「ごめんね…でも私…」

　織音は“SAKURA”と彫った部品が使われたDESの無人機を撫でていた。WOTAとの戦闘で機能停止にされている。

姫「…織音。そろそろ行かないと」

織「はい！」

　たかみなと優子がフライングゲットのステージに戻るとツバサがやってきたので声をかけた。

た「ツバサさん！何かあったんですか？」

するとツバサはたかみなに耳打ちする。
“オリジナルたかみなの魂に一番近い者にまたあなたが選ばれた”と。

た「…！」

たかみなの瞳から涙が溢れ笑みが浮かぶ。

優「たかみな！」

優子は二人の笑みを見て、ツバサが何を言った察し涙を浮かべ喜びながらたかみなに抱きつくのだった。