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―――75期生と77期生はシャワールームで汗を流し、スポーツウェアに着替えた。76期生もその場にいて、暗い表情で着替えのスペースにあるベンチに座っている。楚方は沈んだ表情で体育座りしており、いつもの明るさがまったくない。Aは電動車椅子を動かし楚方に心配そうに声をかけた。
A「…楚方。大丈夫？」
楚「……楚方ね、びっくりしたの。DESに嫌われてるのは知ってるよ。敵だってちゃんとわかってる…。でも…あんなこわい顔でね、楚方達を嫌いだーって言ってるの」
美「楚方…」
そばにいた美森やタオルを体に巻いている鈴子が心配そうに楚方を見つめる。
ゲリラライブを守る為にDES軍と戦ってきたが、ライブに出演した立場で襲われたのは初めてだった。楚方はDES兵に襲われた時、ドスの聞いた声を吐かれ、ヘルメットのシールドの下から恐ろしい形相で睨まれ強い恐怖を感じたのである。
さやかに助けられ無傷で済んだが、その時の恐怖やショックが忘れられず塞ぎこんでいた。
楚「00はにこにこで、幸せだって…大好きでいっぱいだって思ってたのに…」
どんどん涙声になっていく楚方は膝に顔を埋めた。すると鈴子が珍しく眉を吊り上げ、怒りと言う感情をあらわにして楚方の目の前に立つ。
鈴「そうです！00は大好きでいっぱいなんです。あんな風に嫌ってくるのがおかしいんです。DESが悪い子なんですからソナティは堂々としているべきです！」
真「す、鈴子がキレたぁ…」
珍しく感情的になる鈴子に真琴は驚き呟いた。
そんな中、髪を乾かしていた智恵理はドライヤーの電源スイッチを切り凪沙達に語り出す。
智「…ずっと藍花星に戻りたかった」
織「智恵理？」
智「子供の頃、皆と過ごしたあの夏が忘れられなくて……藍花星に何度も何度も「帰りたい」って思った。
…私、藍花星でライブがしたい。誰かの為にだけじゃなく自分の為にもやりたい」
凪沙、友歌、織音は無言だった。
自分達もライブがしたい。3人も智恵理と同じ気持ちだ。そしてそれは他の研究生も同じ。
すると、Aが車椅子を動かし出入口に向かう。
A「…皆シャワー終わったし、そろそろ行こう」
恵「え？どこに？」
A「ツバサさんの所…。皆も行くでしょ？」
Aは皆も来るのが当たり前のように言うと皆はっとした顔をする。
彼「うん、行こう！」
瑞「絶対諦めたくないもんね！」
A「うん」
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ピーマン
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作者名：空 | 作者ホームページ：http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時：2017年12月11日 22時
