【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ41)

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彼「あの、これ…パパコックにキッチン借りて作ってみたんです！」

彼方はリンゴのような真っ赤な顔で背に隠していたハート型の箱を恥ずかしそうに差し出した。

た「お！クッキー？
……あれ？もしかして…これ、うち？」

彼「は、はい！姫子に作り方教わったんですっ」

クッキーはハート型で、チョコペンでたかみなの顔のイラストが描かれていた。
Aが姫子に話しかける。

A「姫子がクッキーの作り方教えたんだって？」

晶「お菓子作るのうまいもんね」

姫「教えてほしいって頼まれたの。お菓子って言ってもよく作るのはカップケーキだけど、クッキーも一応作り方わかるから…
怪我してるたかみなさんに元気出してもらえるようなおいしいクッキーをあげたいって言ってたよ。すごく頑張ってた」

た「あんがと彼方」

たかみなにお礼を言われて彼方は嬉しくてたまらず頬が増々赤く染まり、普段の男らしさが消えすっかり乙女になっていた。

友「うわ～、恋する乙女じゃんあれ…」

葉「彼方さんの周りにハートが見える」

織「彼方さん可愛い」

楚「お姉～」

―――
　戦艦カチューシャが熱海星に着陸し、00メンバーは荷物を持って撮影場所である海へと向かった。真っ青な空に輝く太陽と、強い日差しを跳ね返してキラキラと輝く海。浜辺で水着姿の人々が泳いだりサーフィンなどのマリンスポーツを楽しんでいる。

A「わー。海も空も綺麗。やっぱり熱海星はいいね」

凪「うわー！潮の香りだ」

彼「すっごーい！」

織「きれーい」

瑞「サイコー♪」

A達研究生は目の前に広がる絶景にテンションが上がりはしゃいだ声を上げる。

楚「遊ぼ遊ぼー！」

満面の笑みで海に走り出す楚方の首根っこをツバサが掴んで止めた。

ツ「遊ぶのは撮影の後！日が出ている内に終わらせなきゃいけないの。すぐに着替えてきなさい」

研「はーい」

すぐそばに建つオーシャンビューホテルに入り研究生の控室となっている客室に向かっていると、なぜか真琴は角を曲がり皆とは別方向に歩いていく。

楚「ブツゾー？控室こっちだよー？」

A「真琴？」

Aと楚方が声をかけるが、真琴は無言のまま早足で進んでいく。真琴の姿が小さくなるのを鈴子がじっと見つめていた。