【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ4)

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手にジュース缶を持っている。智恵理も喉が渇いてこの休憩スペースにある自販機のジュースを買いに来ていたのだ。智恵理は76期生に気づくと気まずそうに視線を逸らしながら歩き出し、A達の横を通り過ぎようとすると瑞穂は眉間に皺を寄せながら口を開いた。

瑞「誰かさんの父親が作った機体のせいでたかみなさんがあんな怪我したっていうのによく平気でいられるよね」

智恵理はびくりと肩を揺らして立ち止まった。

瑞「彼方さんには悪いけどたかみなさんが出なくてこの星のファンの人達がっかりするだろうね。たかみなさんだって今日のライブのために頑張って練習したのに出れなくて悔しいに違いないよ。かわいそう」

宇「ちょっと瑞穂…」

言い過ぎだ、と宇美が咎めてやめさせようとするが瑞穂はやめない。背を向けたままの智恵理を容赦なく責め続ける。智恵理が小刻みに震えながら拳を握り締めているのに気づかずに。

瑞「普通だったら罪悪感感じてとっとと00辞めるのにね。人を平気で傷つける仕事をしてる親の娘だから罪悪感なんか感じないの？蛙の子は蛙ってわけだ。
財閥のお嬢様には庶民の苦しみなんかわかるわけないか」

智「………ですか」

小さな声が聞こえ、A達は智恵理に視線を向けた。智恵理は勢いよく振り向き、強く拳を握り締めながら瑞穂を睨む。

智「そういう瑞穂さんには私の苦しみがわかるんですか！？」

智恵理は大声で怒鳴った。自分の苦しみもわからないのに好き勝手言われる怒りや、苦しみと辛さ。色んな感情が高ぶって拳がぶるぶると震えている。普段クールな智恵理がこんな風に感情を露わにしたり、怒鳴るなど見たことがないA達は驚いて何も言えないでいた。

智「私は本気で0048が好きで00になりたいとずっと思ってました！でも父に何度もオーディションを受けたいと言っても反対されて、どうしてそんなに反対するのかと思っていたら父の会社で作っている機体をDES軍が使っているのを知ったんです！その時、私がどんなにショックだったかわかりますか！？わからないでしょう！！
00や銀河中のたくさんの人達に顔向けできない位辛かった！！自分が00に入りたいなんて、そんなの00ファンの人達にとって許されない夢だってわかってずっと苦しかった！！
たかみなさんのことだって平気なわけないじゃないですか！！」

自分の父親が多くの人を傷つけ辛い思いをさせていると知って、智恵理は辛く悲しい思いをずっとしてきた。