【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ28)

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智恵理が凪沙の視線に気づくが、ふいと視線を外す。
智恵理が険悪な仲だった76期生とツンドラスターの出来事で距離を縮めた。他の研究生とも距離が近づいてきていて凪沙は嬉しいのだが、自分との距離が離れてしまったように感じ寂しく思っていた。話しかければ以前より智恵理は話してくれるのだが、時々、先ほどのように視線を逸らされてしまう。その時、智恵理が元気がないように見えるのを気にしていた。

―――
　水曜日。江戸星にあるドームにてゆいはんチームによるライブが行われようとしていた。Aはモニターで観客席を見るとすべてファンで埋まっていて、緊張で胸のドキドキが止まらない。

A(やばい、ドキドキしっぱなしだ。この大勢のファンの前で私がセンターとして歌って踊るんだ…私にきたりえさんの代わりができるかな…)

ファンに研究生の自分などがアンダーとしてセンターに立つことを受け入れてもらえるだろうかと不安に思う。事前にAがきたりえのアンダーとして出演することは観客に知らされているのだが、きっとがっかりしているだろう。

由「大丈夫」

緊張と不安で顔を俯かせているAの肩をゆいはんが後ろから優しく叩いた。

由「私達がいる。何かあったら絶対フォローするから心配しないで」

7代目みゃお(以下「み」)「そうそう。緊張しちゃうだろうけど大丈夫だよ。Aたくさん練習してたもん。きっとうまくいくよ！」

ゆいはんの背後から7代目みゃおが姿を現しAを励す。

ら「きたりえの代わりが務まるのかな？とか心配してるんだったらそんなの考えることないよ」

ぱ「そうだよ。そんなの務まるわけないんだから」

ら「そうそう」

ジュースを飲んでいた12代目らぶたんと8代目ぱるるからはっきりと言われた言葉の刃がAの心に深く突き刺さる。ずーん…と暗く重い空気を背負って落ち込んだ後輩を見て、ゆいはんと5代目はーちゃんがすかさず怒鳴った。

由「ちょっと二人共！」

は「相手後輩！言い方考えてよ」

ぱ「何で怒るの？だってAはAでしょ？誰だって他の誰かの代わりになんてなれるわけないじゃない」

ら「きたりえのパフォーマンスはきたりえにしか出せないんだから、AはAのパフォーマンスをしなよ。きたりえだってそう思ってるはずだよ。ううん、絶対そう思ってる」

ぱるるは怒るゆいはんとはーちゃんを不思議そうに見ながらマイペースに、らぶたんは少し照れた様子ではっきり言った。