【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ21)

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葉「そうだね。だってAターンヘタなんだもん。見てられなくって」

A「私がうまくターンできないの見てほっとけなくて教えてくれたんだよね。葉月ってなんだかんだ言っても困ってる人をほっとかない良い子だよね」

Aがからかうように言うと葉月はと照れくさそうにする。その様子を見て76期生は本当に仲が良いなと智恵理は眺めると、レッスン室に行かなければと先輩達に一礼する。

智「凪沙との約束があるので失礼します」

A「練習頑張ってね」

智「はい」

Aが声をかけると、智恵理は返事をするがふいとAから視線を外しすぐに背を向けレッスン室に向かっていく。その行動にAは少し不思議に思ったが、この時は深く考えず葉月と瑞穂と共に自分の部屋に行くのだった。

―――
　研究生がくつろぐリビングに美しいバイオリンの音色が響く。研究生の視線は窓際に立ってバイオリンを弾く李英に注がれていた。音色がやみ、李英がぺこりと一礼すると一斉に拍手が沸く。

凪「すっごく素敵でした！」

真「かっこいーっす！」

鈴「聞き惚れました」

友「バイオリンの生演奏初めて見た～！」

織「バイオリンの音ってこんなにキレイなんだね」

楚「ねえ、今の曲ってなんていうんだっけ？」

智「『情熱●陸』。昔、地球で作られた有名な曲よ」

ツンドラスターで凪沙にバイオリンの演奏を見せてほしい、とお願いされ承諾した李英はこの日の夕食後に披露した。初めて李英のバイオリンの演奏を見た77期生はテンション高く楽しそうに話している。李英は褒められ嬉しいのだが照れくさくなり床に視線を落とした。

李「…バイオリンの曲で有名なクラシック曲にしようかと思ったけど、バイオリンの演奏見るの初めての人にクラシックは退屈かなと思ってこの曲にしたの」

凪「私、さっきの曲初めて聞きましたけどすごく良い曲だと思います！」

李「うん。私もすごく好きな曲なんだ」

A「ね、他にも聞かせてよ。00の曲がいいな」

楚「楚方も聞きたい！」

李「いいよ」

李英は頷いて『フライングゲット』を弾き始める。皆は楽しそうに耳を澄ませるのだった。

―――
ツ「ツンドラスターでのライブは無事に終了いたしました。このライブの成功は彼女達の力によるものです」

　地下神殿でツバサが先聖センセイへツンドラスターでのライブの報告をしていると、BGMが響き渡り、たくさんのキララが輝き出す。

ツ「もしかしてこの曲は…。時が…来たのですか……」