【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ17)

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全員ほっとしながら構えていたマイクサーベルを下ろし智恵理の元に向かう。

瑞「バカ！何やってんの！」

葉「一人で何とかしようとするからこうなるんだよ！」

瑞穂と葉月が強い口調で智恵理を叱りつけた。

凪「智恵理大丈夫？」

智「これくらい平気。早く帰らないと…。…っ！」

智恵理は立ち上がろうとするが右足にまだ力が入らずしゃがみ込む。

葉「～～～あーもうっ！！」

何と葉月が強引に智恵理をお姫様抱っこした。

智「！？あっあの…！？」

葉「まったく手間がかかる後輩なんだから」

智「あの、私一人で歩けますから…っ」

智恵理は珍しくうろたえながら下ろすように促すが、葉月はそうせず睨み付ける。

葉「うるさい！弱いくせに強がらないでよ！」

瑞「後輩はこういう時黙って先輩に助けられてればいいの！」

葉月と瑞穂に一喝され、智恵理は目を丸くして驚いた。A達76期生は3人を見てくすりと微笑みながら話しだす。

宇「その足じゃしばらく歩けないでしょ？早くフライングゲットに戻らなきゃいけないから大人しく抱っこされてて」

晶「そうだよ。こういう時は仲間を頼らなきゃ」

李「智恵理が戦闘訓練の成績もいいのは知ってるけど、一人で戦えるわけないでしょ？もう無茶しちゃだめだよ」

A「仲間を信じて支え合って一緒に戦うからファンはもちろんだけど仲間も守る事ができるんだよ。だから00は長い間活動してこられた」

姫「そんな00だからいつだってキラキラフレッシュで、たくさんの女の子達が憧れる。私達だってそう。ステージでキラキラ輝く希望の星に憧れて00にやってきた」

瑞「こんな簡単な事もわからないなんてね。帰ったら私達先輩がビシバシ教えるから覚悟しなよ！」

瑞穂は腰に手を当てながら強い口調で言っているが、智恵理を睨む瞳に智恵理への嫌悪や怒りはなかった。隣で微笑むA達76期生にも後輩を見守る先輩としての優しさが見える。

許してくれないかもしれない、認めてもらえないかもしれない。76期生に対して智恵理はそう思っていた。だが自分を守り、自分の為に説教をしてくれた先輩達に感謝と喜びの感情が沸き上がり笑みを浮かべた。

私は一人じゃない。仲間がいる。時に傷ついても倒れても、助けてくれる仲間がいる。
一人で立ち上がれなくても肩を借りて立ち上がり歌い続ける。それが00なんだ―――

宇「よし。じゃあ行くよ！」

瑞「あんた達、さっさと走らないと皆に置いてかれるよ！」

凪、友、織「はい！」