【0048】希望の星になれ・５～76期研究生～ (ページ11)

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た「AKB―――0048！」

　たかみなが体調の悪さを感じさせずに台詞を高々と叫ぶとメインライブが始まった。彼方はWOTAと共に護衛をすることになり、LASに搭乗して会場から少し離れた所で待機していた。暗い表情でたかみなを見つめている。
今だ襲名できず後輩にも追い抜かれ、不運の期と呼ばれていた自分にやってきたビッグチャンスに彼方は喜んでいたんのだ。憧れのフライングゲットのステージで歌い踊れる！と。
憧れのたかみなのアンダー、というのが喜びがひとしおだった。けれどそれがたかみな本人によってチャンスがなくなってしまい、たかみな相手とはいえやはり悔しさを感じていたのである。

川の上で立体フォーメーションでパフォーマンスをする襲名メンバーをキララが照らし、川から炎の柱が何本も上がり川面に川の流れの模様をした光が浮かぶ。観客は歓声を上げ大声で応援している。幼い少女四人組も光り輝く色鮮やかなライブに魅了され頬を赤らめてライブを見つめていた。

た「…っ！」

歌い踊るたかみなは高熱で目まいがし体から力が抜けるのを感じ、よろめいて体が倒れてゆく。危うくセリーから落ちそうな所を隣で歌い踊っていた優子が支えた。優子はたかみなを見下ろすと、頬が赤く汗がひどく出ている。もう無理かと思われたがたかみなは唇を噛み鋭い視線を向けた。”最後までやる”という強い意志を感じて優子は微笑むとたかみなを立たせ歌を再開する。
たかみなの気持ちは優子にも良くわかっており、自分の為にファンの為にやりたいというたかみなの気持ちに応え止めようとしなかった。たかみなに何があっても自分が支える、そう思いながら歌い続ける。

襲メン「―――River！！」

河から花火が上がり夜空を照らすと、襲名メンバーは観客の住民がいる川岸へとセリーで飛んでいった。

彼「…やっぱ、かっこいいや」

彼方は涙を浮かべ、呟く。ステージに立つチャンスを奪われて、相手が憧れの先輩とはいえ悔しさを覚えていた彼方であったが、体が不調なのにたかみなはキララを輝かせて最高のパフォーマンスをするのを見て感動した。