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―――準備を終えた研究生はお喋りしながら通路で待機していると、楚方が窓の向こうの雪景色を見つめていた。ツンドラスターは寒い土地で、永久凍土という夏でも融けない氷が存在している。
楚「雪…だるま…」
織「どうしたの?」
楚「だるま…作りたいの」
織「あ、楚方の星って砂漠の星だったんだっけ。雪、初めて?」
楚方は雪景色を見つめたまま頷いた。
A(確かサハラスターだっけか。雪は降らないんだっけ…)
楚「だるま…!」
凪「ね!まだかかりそうだし、ちょっとだけ外に出てみない?」
友、織「えぇっ?」
友「さすがにまずくない?DESがいるかもしれないんだよ」
凪「私達の事なんて誰も知らないよ、研究生なんだし」
智「じゃあ、偵察ってことで」
友「あっ、智恵理!」
楚「だるまーん!」
真面目な智恵理がそんなことを言って足早に外に向かい出し、楚方が友歌と織音を通り過ぎてウキウキと走ってゆく。
葉「ちょっと!勝手に外出ちゃ…」
凪「私も行く!」
織「ちょっと待ってー!」
葉月が呼び止めようとするが凪沙も走り出してしまい、織音と友歌が後を追いかけて行った。それを見て真琴と鈴子もついてゆく。
李「行っちゃった…」
葉「もー…!」
智恵理なら勝手に外に出たら行けないと真面目に注意すると思っていたので、予想外な行動にAは驚いた。
A(もしかして智恵理も雪に興味あるの?内心ウキウキしてるとか?)
大人ぶっててもやっぱり子供?、と少し笑いが漏れる。
美「ふふ。私達も行きましょうか」
恵「あ…はい」
晶「私も雪見たいから行きますっ」
瑞「しょうがないなぁ…子供なんだから」
A「後輩だけ行かせるわけにいきませんもんね…。後でツバサさんに怒られるだろうけど」
宇「そうね…」
―――
オ「ツバサさん!研究生達が勝手に外へ…」
指令室で作業をしていたツバサはオペレーターから言われて顔を上げると、モニターに雪景色の中を走る楚方、凪沙、智恵理、友歌、織音の姿が映っていた。
ツ「あの子達…。しょうがないわねぇ…」
ツバサは呆れ顔でため息をつきながらインカムで呼び戻そうとしたが、なぜか動きを止めた。
初めて完全芸能禁止の星に来た77期生に完全に芸能が禁止された星はどんなものか自分の目で見させる良い機会だ。先輩の76期生と美森が後を追いかけてきたのでそう危険な目に合わないだろう。
だが研究生だけで行かせるわけにいかないので、ツバサはある人物に通信を繋げた。
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2017年7月15日 8時