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瑞「よく平気な顔して言えるね!!罪悪感とかないわけ!?たかみなさんをあんな目にあわせた機体はあんたのち―――」
A「瑞穂!!!」
瑞穂の怒鳴り声よりもAが大声で遮る。食堂がしんと静まり返る中、怒りで拳を握りしめていた瑞穂はAの方を向く。Aは真剣な表情で小さく頭を横に振った。
―――”あんたの父親が作らせた物でしょう”。
そう言おうとした瑞穂に「言ってはいけない」とAは無言で伝える。Aは黙って瑞穂に近づくと、腕を掴み軽く引っ張って食堂の出入り口に向かう。瑞穂は抵抗せず黙って拳を握り締め唇をぎゅうと噛みしめたまま出て行った。
楚「…どーしたんだろ瑞穂?あだ名も…」
真「瑞穂先輩、智恵理のことすごい睨んでたけど…」
凪沙も瑞穂が何を言おうとしたか察して心配そうに隣を見ると、智恵理は暗い表情で俯いている。
智(わかってます……たかみなさんをあんな目に合せた機体はお父様の会社の物。お父様が傷つけたも同じだってことは……
お父様は許されないことをしている。そんな人の娘の私が00にいることを認めない人がいるのは当然のこと。
でも、ごめんなさい。どうしても夢は諦めたくない…!それにもう逃げないって決めたんです。Aさんにそう誓ったんです。ここで逃げたら無責任なことになる。お父様が00やファンを傷つけようとするなら、私がお父様から守ってみせる。
それがゾディアックCEOの娘としてできる唯一の罪滅ぼし……もちろん罪が許されるなんて思ってないけど……)
―――
食堂を出たAと瑞穂は誰もいない薄暗い通路にある座れるスペースに座り話をしていた。
A「瑞穂は本当に正義感が強いよね。そういうとこ私達は好きだよ。
…でもこれからゲリラライブなんだから皆を動揺させるような事言うのはだめだよ」
瑞「…わかってるよ……」
A「…それに彼方さんが言ってた通りあいつの父親がやってる事は娘のあいつには関係ないからあいつを責めてもしょうがないよ」
瑞「!Aはあいつがスパイじゃないって信じたの!?」
A「別にそうじゃないよ。ただ娘のあいつは機体を造るのに直接関わってないだろうから関係ないって思っただけ。瑞穂さっき「父親が作らせたんでしょ」って言おうとしたでしょ?その通りだよ、あいつの父親が作らせたんだから恨みごと言うなら父親に言わなきゃ意味ないよ」
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2017年7月15日 8時