【0048 next stage】希望の星になれ～76期研究生～ (ページ7)

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優子は不満そうにふくれっ面をする。

　Aが研究生お披露目公演で14代目あっちゃんしてから、優子が同じ襲名メンバーになったのだからもう名前は呼び捨てでいい。敬語もなしで、フランクでいい。と言った。他の襲名メンバーも同意したが、憧れ、尊敬する大先輩に対して恐れ多すぎてできないでいる。
A真面目で、さらに元々引っ込み思案で今はそれなりに改善されたものの、先輩にフランクに接するなんてとてもできない。しかも相手は00加入前から憧れ続けてきた存在なのだから。
申し訳なさそうに俯くAの気持ちを同期の佐江は察してフォローに入った。

佐「あんまり無茶言わないで上げて下さい。優子さんは先輩でしかもエースですよ。優子さんも他の先輩達も私達後輩の憧れなんです。呼び捨てやため口は難しいですよ。私だって無理ですし」

優「わかってるよ～。でもあっちゃんてばまだ私らには緊張気味で研究生の子らみたいに自然体で喋ってくれないんだもん。寂しいじゃん」

さ「私はツインスターなんだからって強引に呼び捨てため口にさせたけど、優子にいくら言われても敬語だったもんな。でも当時に比べたらずいぶん肩の力抜いて話すようになったよね」

優「だよねぇ。ま、気長に待つよ。私もだけど皆もあっちゃんともっと仲良くなりたいんだ。だからもうちょっと話してほしいな」

A「…頑張ります。あの、ところで何か御用でしたか…？」

わざわざ呼びに来たのだ。何か用事があるのではAは思い聞くと、優子が「あのね」と言ってにんまりと笑う。まるで悪戯を企む子供のような笑顔で。

優「熱海星って言えば青い海じゃん？ちょっと時間あるから海に泳ぎに行こうと思って誘いに来たんだ。
―――んでさ、そのあと、研究生公演一緒に見に行かない？」

―――
　夜7時。強襲ステージ艦フライングゲットが熱海星のライブ会場に現れ、大勢の観客から大歓声が上がった。研究生お披露目公演から人気が徐々に上がってきている研究生らのライブを頼みにしていて、研究生は歓声に応えるようにキララを輝かせてセットリストの一曲目『初日』を歌い踊っている。
優子達に誘われたAは彼女らと観客から離れた所にいて、正体がばれないように帽子を深く被るなどの軽い変装をして静かにライブを見ていた。

だが、二曲目の『虹の列車』になると、輝き人々を魅了する研究生のライブに優子もドキドキワクワクを抑えきれなくなる。