【0048 next stage】希望の星になれ～76期研究生～ (ページ20)

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A「もう大丈夫…。ありがと」

呼吸を整え、顔を上げた。優子の怖いくらい真剣な視線とぶつかる。

A「…優子さんに勝つなんて言える自信はないです。まだ戸惑いもありますけど、とにかく選抜入り目指して頑張ろう思ってます。これからも努力して歌を届けて、皆に投票したいと思ってもらえるようなあっちゃんになれるように頑張ります」

Aが静かにそう告げると、優子は「ん。」と一言言い頷いた。

優「―――あ。あんた達もライバルだからね」

彼「え゛っ」

優子に視線を向けられた研究生は仰天する。00で人気実力共に1、2位を争う優子にライバル宣言をされた彼女達は戸惑いを隠せないでいた。なぜ研究生

美「そ、そんなライバルだなんて。私達優子さんの足元にも…」

優「いい後輩ぶらないで結構」

研究生の何人かが「え…」と戸惑いの声を漏らした。小さなざわめきが起こる。

優「私もいい先輩じゃいられなくなるかもだからさ。
…ごめんね」

申し訳無さそうに微笑む優子を見て、研究生らは今だ戸惑っている様子だが、智恵理は真剣な表情で見つめ返していた。優子のライバル宣言には驚いたが、それを受け止め、実力差はわかっているがそれでも選抜入り目指して頑張ろうと決意している。

こんな真剣な雰囲気だろうとまゆゆは我関せず、フグの刺身を一度に数枚取って食べていた。

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た「ツバサさん。ちょっといいですか？」

　夕食後、ホテルのラウンジにてタブレットで仕事をしているツバサにたかみなが声をかけた。ツバサはいいわよ、と了解する。

た「総選挙、彼方が襲名するチャンスにも繋がるんですよね？」

ツ「ええ」

た「よかった…」

たかみなはほっとした表情をする。
以前、オリジナルのたかみなに最も近い者に選ばれていた彼方だったが、研究生お披露目公演で新たにたかみなが選ばれていた。
なので彼方に罪悪感や後ろめたさを感じていたたかみなは安堵する。

ツ「…気にしてたのね。前にも言ったでしょ、若い魂は成長と共に次々に変化していくもの。彼方の魂はたとえたかみなにはなれなくても他のメンバーに選ばれる可能性があるのよ。彼方を見守ってあげて。そして総選挙頼むわよ、我らがキャプテン」

た「はい！」

ツバサがたかみなの両肩に手を置いていうと、元気のいい答えが返ってきた。