【0048】希望の星になれ・２～76期研究生～ (ページ41)

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寮でのひと騒動後、アンダーに選ばれた研究生はモノレールでクリスタルタワーに移動していた。暗い表情で俯いており、彼方と美森は友人の苦しみに気づかなかった自分を責め、智恵理は知らなかったとはいえひどいことを言ってしまったと反省していた。

美「…彼方、友人に謝りましょう。Aに頼んで友人と会わせてもらえるように頼みましょう」

彼「…そうだね。謝らなきゃ。友人の苦しみに気づかないで責めたこと、今まで裏切ったと思ってた事全部謝ろう」

美「えぇ。友人は私達に心配をかけさせないように本当のことを言わなかった。Aに口止めしたのも本当のことを知ったら私達が自分を責めるってわかってたからだと思うわ。このままアンダーのレッスンに集中できないなんてことになるのはいけませんわ、今でも応援してくれる友人に応えて頑張りましょう」

彼「うん！気持ち切り替えなきゃね。絶対アンダー成功させよう」

彼方と美森は互いを励まし合うと、彼方は俯いている智恵理に慰めるように優しく微笑んだ。

彼「智恵理に悪意がなかったのはわかってるよ。智恵理は襲名したいって強く思ってて真面目にレッスンを頑張ってる。だから許せなかったんでしょう？」

美「事情を知らなかったんですから仕方ありませんわ。Aもそれをわかってるはず。冷静になれば怒りも冷めるはずよ。後で一緒にAに謝りましょう」

智「…はい。
(友人さんは夢を叶えたい気持ちは強かった。でも夢より家族を選んだ…。どうして諦められたの？襲名したかったはずなのに……
…ううん、違う。いくら夢が大事だからって、親が事故にあって家族が大変な時に放っておけるわけないのが普通なんだ。大事な家族だから夢を諦める決意ができたんだ。きっとすごく仲が良いんだろうな……私の家族と違って…)」

智恵理は友人を羨む感情が沸き上がるのを感じながら寂しげな笑みを浮かべた。

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　一方アンダーに選ばれなかった研究生は自主練するか休んでもいいと言われており、77期生はリビングに向かっていた。

友「こうなったらお菓子のやけ食いだー！」

真「望むところーっ！」

友歌と真琴が大量のお菓子と飲み物を抱えてリビングに入ると76期生がいた。全員振り返り77期生を見ると嫌な空気が漂う。ふて腐れたような表情をして、すぐ視線を逸らし話を再開する。ドロドロした感じの悪い先輩の姿を見た77期生は中庭に行き、凪沙以外はカラオケに行くことにしたのだった。