【0048】希望の星になれ・２～76期研究生～ (ページ14)

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少女「お主ら、それがライブを見るファンの態度か！！マナーがなっておらん！！」

女性「お、お嬢様。落ち着いてください！ライブ中ですよ…！」

少女の隣に座る女性が慌てて止めようとするが、怒り心頭の少女の耳に届いていない。どうやら女性は少女の付添人のようだ。

少女「推している襲名メンバーを目当てに来ているのじゃろうが、目当てじゃないからといって未来の00を輝かせる可能性を持った研究生を無視するとは何事じゃ！前座は研究生が日々の努力の成果を発揮する唯一のステージ。きちんと見て評価するのが00ファンのマナーじゃろう！？なんて失礼きまわりないのじゃ！！」

観客「何だよあの子供…」

観客「偉そうに」

そう言う大人達もいたが、前座を見ていなかったほとんどの観客は気まずそうな顔をする。Aは驚いたままじっと少女を見つめていた。

少女「未来の襲名メンバーを応援することは00をもっと盛り上げることに繋がるのじゃ！！そうじゃろう！？お主らは自分の推しメンだけ人気があればそれでよいのか？将来襲名する為に汗水流して頑張っている研究生を無視するなんてひどいことをするとは、それがAKB0048を愛する者がする事か！！」

幼い少女の説教は大人達にだいぶ効いたようだった。少女は00を愛しているからこそ、研究生のAの頑張りを無視するのが許せなかったのだろ。そう、この場にいる者は理解した。
そしてAは喜びを感じていた。少女は自分達研究生のことをそこまで想ってくれていて、説教までしてくれた。もちろんライブ妨害はいけないことだがそれでも嬉しい。

スタッフ「お客様、すみませんがそれ以上騒ぐようなら退場して頂きます」

数人のスタッフが少女に近づきやめるよう促す。だが少女は従わずAをキッと睨んだ。

少女「何をしておる！まだ前座は終わってないのじゃぞ！早く歌わぬか！」

Aはびくりと肩を揺らす。そうだ、まだ終わっていない。歌を再開する。

少女「客に無視されて悔しくないのか！もっと気合入れて歌い踊れ！」

女性「お嬢様！だめですってば…！」

ス「静かにして下さい！すみませんが退場して頂きます」

スタッフ数人が抵抗する少女を引きずるように出入口に連れてゆく。女性は何度も「すみません」と謝りながら後に続いた。