affogato (ページ11)

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《A、社長が呼んでるぞ》

「え、社長が？」

《早く行け》

「はい」

　
エレベーターに乗り一生押すことのないと思っていたボタンを押すことになるなんて…

きっと山田さんのこと。
クビになったらどうしよう…
嫌々受けたところ勿論採用されず、やっとやりたい職業を見つけたのに
此処を辞めたら何処で雇ってもらえるの…

一度悪い方に考えると、悪い方にしか考えられなくてポジティブに考えることなんて忘れるくらいになっていた

考えているうちに直ぐにドアが開き、
受付の方らしき人が案内していただき大きな扉の前まで来てしまった。

ｺﾝｺﾝｺﾝ

大『入れ』

ｷﾞｨｰｰｰｰ

《どうぞ》

「失礼します」

《私はこれで》

大『どうぞ』

「失礼します」

大『単刀直入言う』

「はぃ…」

大『山田のこと好きか？』

「え…どうしてですか」

大『好きならあいつは辞めとけ』

「…」

大『じゃあ、これが社長命令と言ったら聞けるか？』

入社式で見た有岡社長とは一変、
誰？って思うくらい怖い
子どもっぽさの笑顔はない。

大『聞けないならそれ相応の対応はする』

「あ、社長には関係ないです！」

「私が誰を好きになろうが山田さんを好きになろうが私の勝手です！」

「それを社長命令で辞めろとか言われたくないです！」

「私をクビにしたければご勝手にどうぞ」

そう社長に告げ、部屋を飛び出した。