空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ8)

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第4話　最強の味方ページ8

強制的に田中さんに連れて来られた朝5時からの早朝練。

流石に眠い…。まあ、ロードワークだと思えばいいか。

「フザけんな、おれが一番乗りだ」

「もう田中さんが入ってるから一番じゃねえだろ！」

「そう思うならどけよ！！」

…田中さんがイラつき始めている。

流石に俺もイラつき、2人の背中を蹴飛ばした。

「ごちゃごちゃ騒ぐな、耳障りだ。コート上の王様とチビ」

「オイ、その呼び方……ヤメロ」

「初対面なのに噛みつくなよ。ピースにいこうぜ」

「…お前、おれらのこと蹴飛ばしてんじゃん……」

コート上の王様って呼ぶとキレるって噂は本当だったか。

まあ、あの県予選の決勝の雰囲気じゃそうもなるわな。

「…田中さーん、ネットって立てますかー？」

上着を脱ぎながら田中さんの方へ行った。

影山はまあいいとして、あのチビ…日向は気づいてないだろうな。

バレーボールへの知識も少なそうだし。

しばらく、日向と影山のパス練習を見ていると

「おー！やっぱ早朝練かあ」という声と共に体育館のドアが開いた。

「スガさん！？」

菅原さんは「なーんか秘密の特訓みたいでワクワクすんねー」と

シューズの紐を結び始めた。

＿＿＿

田中さんは影山とスパイク練、日向は菅原さんとレシーブ練。

余った俺は隅のほうでサーブ練習をしていた。

「望月ぃー、日向にレシーブ教えてやってくれないか？」

「え、嫌なんですけど…。菅原さんは教えないんですか？」

「俺より望月のほうがレシーブ上手だろ？」

…この人には敵わないな。

「…5本でその”愚図レシーブ”をものにするから覚悟しろ」

「優しく教えてやれよー」