空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ7)

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どんな高さにボールが上がっても打てるが、

少し低いような気がする。

俺の最高到達点は…”ここだ”。

スパンと相手コートにボールが落ちる。

先輩たちは茫然としている。

…ヤバい、下っ端なのに調子に乗りすぎたか？

「望月すげーじゃん！！」

「今のは来るって分かってても拾えなかった、凄いな」

「いえ…そんなこと……」

「物凄い後輩が入ってきたなぁ」

褒められることなんてなかったから少しだけ、嬉しい。

父にも兄にも姉にも、「もっとこうしろ」とか「全然できてない」とか

言われるのが多かったし、母はバレーボール未経験者だから何も言ってこない。

そんな環境だったから、他人に認められて嬉しかった。

「よし、じゃあレシーバーとスパイカー交代なー」

「はーい」

＿＿＿

「(あの2人、生きてんのかな…)」

「勝負して勝ったらいれてください！！！
＿とか言って来そうじゃないスか？アイツら」

「あり得る！頭冷やしてチョコっと反省の色でも
見せればいいだけなんんだけどな」

「アイツらもそそこまで単細胞じゃないだろ」

アイツがもし、”影山飛雄(コート上の王様)”なのだとしたら…

「＿＿＿でも、仮にそう来るとしたら影山が自分の個人技で何とかしようとするんだろうな。
もしも影山が自分個人の力だけで勝てると思っているとしたら＿…」

「影山(あいつ)は中学から成長していない」

『？』

「ってことですよね？…あ、お客さんみたいですよ？」

すると外から「キャプテン！！！」と大きな声がした。

田中さんの予想通り、勝負を挑んできたみたいだ。

来週入部予定の1年生と土曜日に3対3で勝負することになったらしい。

もし、影山が負けたら3年生がいる間はセッターをさせないという罰(ペナルティ)で。

「望月は入部予定の1年とな」

「…げぇ」

でも、面白くなりそうだな。