空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ28)

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「(あ、手に当たらねぇ…)」

影山のトスは日向の手に当たることなく、コートに落ちた。

周りのみんなはポカンとしている。

「今みたいなのちゃんと打てないと影山(おうさま)が怒り出すよ？」

「！」

「日向！
悪い、今のトス少し高かった」

向こうの6番と7番は「影山が謝った」と驚いていた。

マジで、チームメイトからの信用薄すぎだろ。

まあ、だからああなったのか。

次の速攻は難なく成功。

「でたよ…変人トス＆スパイク…」

「何だアレー！？」と観客が沸いた。

「日向、影山」と大地さんが2人を呼んで円陣を組んでいた。

「日向、めっちゃ喜んでんな(笑)」

「まあ、俺等からしたら当たり前の円陣も、奴からしたら嬉しいんでしょうね。
それよりも、菅原さん気づきましたか？」

「サーブか」

「はい。青城のサーブは強力で有名です」

「そーなんだよなー。今はまだ抑えてんのかな？」

「…違うんですよ、ビックサーバーが”居ない”んですよ」

「？？」

「コート内に居ない。ぱっと見、体育館内にも居ません。
何かの都合で遅れてくるのかハプニングか…」

「(ホント、望月の観察眼は凄いな…。正直怖いぐらいだ)」

俺はコート内を見て、菅原さんに言った。

「日向が動き出したところで＿”反撃開始ですね”」