空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ26)

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…さすが私立、体育館デケェ。部員も多いな。

「部員の層も厚いな。エース張れそうな奴らばっかり」

日向はまた腹痛になったらしく、トイレに駆け込んでいた。

「ったく、どーなるんだか」

「ホント。でもまぁ、たかが練習試合だし」

「その逆だ。”練習試合程度”でああなるんだから、本番はもっとヤバいぞ？」

「ま、知ったこっちゃないけど。…望月、ストレッチしよ」

「おう」

数分後、試合が始まった。

どうにかなるだろうと思ってたけど無理みたいだ。

レシーブの邪魔をするし、ジャンプはできない。

挙句の果てには影山にキレられる。

「…ハハッマジかよ」

相手のセットポイントに来て日向のサーブ。

あの緊張じゃあネットに引っ掛けるだろうな。

「菅原さん、日向(アイツ)息してるんですかね…」

「さぁな…。試合前に田中がプレッシャーかけたからなぁー」

「何て？」

「”サーブミスは即失点”」

「あぁー…」

小心者の日向にその言葉は重たいな…。

ピーと笛が鳴り、日向がサーブトスを上げた。

「あ…(あの感じ、絶対手にちゃんと当たってないな。変な音したし…)」

…………

空気が凍った。

日向のサーブはこちら側のコートに落ちた。

ネットに引っかかったからじゃない。

…………影山の後頭部に当たって、落ちた…。

ピピーと笛が鳴った。

「(影山……キレんなよ…………頼むから、)」