空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ23)

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明日の放課後に青城と練習試合がある。

「(んー…、どうしたもんかなぁ…)」

授業中にも関わらず、俺はバレーノートに今日の作戦を書いていた。

膝の上にバレーボールを乗せて。

「望月君、随分と余裕ですね。進学クラスの生徒なのに」

「俺、進学希望じゃないんで。たまたま入試でいい点が取れただけですし」

「つべこべ言わずに教科書を開きなさい。問3を解いて黒板に書いてくださいね」

渋々バレーボールを置いて教科書を開けながら黒板の前に立つ。

この先生、二次関数の応用問題指定しやがった…。ま、解けるけどな。

「…………正解です…。」

「合ってました？良かったー」

また席に戻ってバレーノートを開く。

流石に板書しないのはマズイか。

授業終わり、後ろの席の女子に声をかけた。

「谷地、ノート見せてくんない？」

「ひぃっ！？ど、どうぞ！！持って帰ってもらっても構いませんので！！！」

「そんなにビビらなくても、取って食ったりしねーよ。
…めっちゃノート綺麗じゃん。参考書レベルだわ、絵も上手だな」

谷地は終始ビビっていた様子だったが、少し会話をすると慣れてきたらしく

自然と話してくれるようになった。

「望月君って「君付け苦手なんだよね。呼び捨てでいいよ」えっと、じゃあ…………
望月はバレー部なの？」

「え、うん。チビの頃からやってたから成り行きで」

「凄いなぁ、私…ずっと長く続けてることなんて無いなぁ。
新しいこと初めてもすぐに失敗しそうで怖いし…」

「俺もバレー始めた頃はしょっちゅう失敗してた。何もないところで転んだりとか(笑)
でも、失敗を怖がってたら何にもできねぇぞ？新しいこと始めるのにタイミングとか
ねーんだし。「おもしろそー」くらいのテンションで色々やってみれば良いんだよ」

「…ありがとう。そんな風に言ってもらえるなんて…
私、何かやりたいことが出来たら全力で当たって砕けてみようと思う！」

「砕けたら意味ねーだろ(笑)」

「部活頑張ってね！」と谷地は大きく手を振って走っていった。

「…”失敗を怖がってたら、何もできない”……かぁ」