空に焦がれたあの日の俺へ。 (ページ18)

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第8話　”頂の景色” ページ18

「俺のトスは見なくていい(・・・・・)、ボールには合わせなくていい(・・・・・・・)」

何する気だ？セッターが完璧にトスを上げんのか？

「まだ何かやるつもりか？”王様”の「自己チュートス」なんて誰も打てないってば」

「だよねーっ」

影山の集中…スッゲーな。

月島、山口は田中さんを完全マーク。

日向からマークを外すわけにはいかない。

「…………は…？」

「＿＿＿！よしっ！」

「！？、！！？手に当たったあああ！！！」

「？”手に当たった”？大げさだな…」

「おい…今、”日向、目ぇ瞑ってた”」

『はァ！？』

そりゃあ、動揺するよな。影山ですらしてんのに。

「は？…………どういう…？」

「ジャンプするときからスイングするまでの間、日向は目を瞑ってた。
影山が日向の掌にジャストでトスを上げたっつーことだよ。…気持ちわりぃ」

「ハァ！？」

「だよなー、まさかやってのけるとは(笑)
これでマークしずらくなったぞ……」

影山の顔が今までで1番生き生きしてる。

……まぁ、生き生きはしてるけど成功はさっきの1回だけ。

「マグレだったか？」

「理解不能。懲りずに何回も…」

「まぁ、日向(アイツ)は馬鹿だしな。何回でも飛ぶんじゃねーの？
今のアイツには”因縁の相手(影山飛雄)”を信じる以外の手段はねーしな」

でも、アイツなら。アイツらなら…

1発かましてくれるんじゃないだろうか。

目の覚めるような、攻撃を…。

「…ぜってー、拾ってやる」