空に焦がれたあの日の俺へ。

・ ページ11

「…………けっ！なァ〜んか気に入らねーな、さっきの新1年！」

「お前初対面の奴大体気に入らないじゃん。アレだろ、そういう習性だろ」

「”習性”って…」

「でも…予想以上の来たな…。明日大丈夫か」


そんな菅原さんの問いかけに田中さんは「俺だって入るんスから！！」と

胸を強く叩いて言っていた。


「…お先に失礼しまーす、お疲れっしたー」

「おう、お疲れ。明日忘れんなよ？」


外に出てしばらく歩いてると日向たちと月島たちが話していた。

話していたというか揉めていた？

影山が胸倉掴んでるし…………。


「月島、何してんだよ」

「別に？王様(おーさま)にご挨拶してただけ」


ったく、ガキかよ。

山口に「何で止めねーの」という視線を送った。

山口がストッパーだと思ってたのに…。


「……………切り上げるぞ」

「！！？ええっ！？おいっ」

「逃げんの？”王様”も大したことないね〜〜〜〜
明日の試合も王様相手に勝っちゃったりして＿＿＿…」


次の瞬間、月島が投げたボールを頭上でキャッチした。

月島の頭上より、はるかに上のボールを…………。


「「王様王様」ってうるせえ！おれも、居る！！！
試合でその頭の上打ち抜いてやる！！」

「………は？」


せっかく格好いいこと言ったのに月島に睨まれ、委縮して台無しだ。


「そんなにキバんないでさ、明るく楽しく程々にやろうよ
”たかが部活”なんだからさ」


…この空気、どうしてくれんだよ。

結局その日はそのまま解散になった。

・→←第5話　コート上の王様

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す