Secret Princess【名前変換】 Part.2 (ページ38)

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こんなにもうまくいくとは思ってなかった。

別に困らせたくてしたわけじゃない。

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ただ、貴方との想い出の場所に久々に訪れたくなった。

・

オレンジから色を変えた空は星が瞬き始めて

空に手をかざすと涙がぽろっと零れた。

・

今頃、SPの人……必死に探してるのかな?

ブランコが夜風に揺れて寂しげな音を出す。

・

それはまるで、私を誘っているようで

腰を下ろし地面を蹴りあげた。

・

あ「涙……止まんないよ。」

・

空を見上げても地面を見てもぽたぽたと零れる。

ぎゅっと瞼を閉じても……零れちゃう。

・

ポケットにしまったあのプリントを取り出すと

教室で滲んだ文字がますます滲んで読めなくなりそうだった。

・

あ「好きだよ……大好きだよ。」

・

本人に伝えなくちゃ意味なんてないけれど、

気持ちをこのまま留めておくなんて苦しくて。

・

涙とともにぽろっと言葉が零れれば、私の隣に増える人影は

私の影と重なって、

ゆっくり視線を上げると、彼の顔が月明かりに照らされていた。

・

あ「何で…………」

・

裕翔「何ではこっちの台詞。心配したっつーの。

SPも今、死ぬ気でAのこと探してるよ?」

・

Aっていう自分の名前の単純な響きに泣きたくなる。

彼に見つめられていると思うと胸がきゅーっとなる。

頭をポンポンって優しく撫でられると胸が高鳴る。

・

裕翔「また泣いてるし。笑顔でいてよ。」

・

あ「それは、裕翔のせいだもん。

裕翔が……泣かせるようなことするから。」

・

裕翔「全部俺のせい?」

・

あ「だって、だって……裕翔のせいで

涙止まらなくなっちゃったのは本当だ…………っ!」

・

言いかけの言葉はそのまま私の胸に押し込まれた。

・

私の唇に触れた彼の唇。

ゆっくりと離れた瞬間、彼は言った。

・

裕翔「涙、止まったでしょ?」

・

何てイタズラな笑みたっぷりに。

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