Secret Princess【名前変換】 Part.2 (ページ24)

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裕翔「バイバイ……何て言うなよ。

俺が守るって言っただろ。」

・

ぼーっとする意識の中、優しい声が聞こえて

何とか焦点を合わせれば綺麗な瞳が目の前にあった。

・

あ「裕翔…………もう、いいよ。」

・

裕翔「何がだよ。よくねぇだろ。」

・

手首を縛っていた紐がやっと解かれて

でも、ずっと縛られていたせいで思うように体が動かせなくて。

・

力を入れようとしても入らなくて、立ち上がれば

倒れ込むように彼の腕の中にすっぽり埋まった。

・

あ「もう、もう……十分だよ、裕翔。

守ってくれなくていいよ。私は……お姫様なんかじゃない。」

・

私は平凡な家に生まれたどこにでもいる女の子であって

あの黒ファイルに書かれていたことは……

・

“藤咲Aの父親は現総理大臣”

・

“尚、担当責任者の中島裕翔の父親は5年前、殉職”

・

“マスコミには伏せられているが現総理大臣の

警護中に命を落としたとされている”

・

あ「私は……ママだけでいい!パパなんて……

あんなパパは私のパパだなんて認めな…………っ!」

・

視界が歪んだ。

・

そして、体に全く力が入らなくなって

遠のく意識の中、体がまたぎゅっと抱きしめられたのだけ

感覚として残っている。

・

ねぇ、ママ。

ママはどうしてパパのことを教えてくれなかったの?

・

ねぇ、裕翔。

貴方の大切な人を失わせた人の娘を守っているとき

どんな気持ちでいましたか?

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