Secret Princess【名前変換】 Part.2 (ページ20)

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「来ると思っていたよ。」

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本当の依頼者はそう言うと、ソファーに腰かけて

俺にも座るように合図してきたけれど

その前に俺は膝を床につけて頭を下げた。

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裕翔「この度は……本当に申し訳ありませんでした。

お嬢様を危険な目に合わせてしまって……

取り返しがつかないことをしたと思っております。」

・

あの時とは逆の立場だ。

あの人はこの人が俺の母親に頭を深く下げていた。

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「やめてくれ…………君には何も罪が無い。

それに……そのことを言いに来たわけじゃないんだろう?」

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肩ががしっと掴まれて、立たされた。

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今はピンチの時であるときであるというのに

その人は俺の父さんと同じく余裕な表情をしていて

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仕事机に飾られた写真立てを手に取って笑顔を見せる。

・

裕翔「身代金…………のこと、分かってるつもりです。

だけど、Aは全てを知ってしまいました……。」

・

あの真実を、過去を全て知ってしまったんだ。

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辛く悲しく、切ないあの過去の出来事は

Aの胸を確実に抉ったはず。

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裕翔「……もし、何かあったら取り返しがつきません。

部外者がとやかく言う資格がないのは分かっています。

ですが、お嬢さんとちゃんと向き合うべきです。」

・

「中島君……」

・

裕翔「どれだけ想っていたって……相手に伝わらなくちゃ

意味なんてないんですよ。想いも誠意も……

思うだけでは相手には伝わりません。

身代金もAも俺たちが何として取戻しますから

どうか……あのお嬢さんと向き合って貰えないですか。」

・

失ってから気づいた…………では、遅すぎるんだ。

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