蜘蛛の糸【HUNTER×HUNTER】

第7話 ページ8

「おお！案外いっぱいいるじゃねーか！」

扉の開く音と下衆な男の声でみんな一斉に立ち上がり、声のした方を向く




「言った通りだっただろー？ここに子供が住んでるって」



「女も二人いるじゃねーか。今回はかなりの当たりだな」




あとに続いてゾロゾロと屈強な男達が入ってくる


子供の俺達が敵う相手ではない


ましてや走って逃げようにも入口が男達によって塞がれている


窓はあるが高すぎて届かない







「ほおうら、お兄ちゃん達と一緒に楽しいところに行かなーい？？」


「野郎どもはアレだが、女の子には優しいぜー？」



ヒッと後ろから悲鳴が上がる

男達はニヤニヤとしながら一歩ずつ近付いてくる



間合いを取るように俺達も下がるが、遂に背中に壁が当たってしまった






「おおーい、なんだよその目は？」


リーダーらしき男が俺を見下しながら言う


「なんだー？弱い癖に皆を守るぞーとか、いきがってんのか？」



ギャハハハハハと高笑いをする男達

何も出来ない自分が悔しくて、男達を睨む



「...あんま調子に乗ると痛い目見るぞ」


その瞬間、フワッと体が浮き、首に強い圧力を感じた





「カッハッ！！！」


「おうおうおーう、苦しいか？ほら、もっと苦しめよ！！ギャハハハ！！！」



皆が俺を呼ぶ声が聞こえる


どんどん意識が朦朧としてきた...



気を失おうとしたその瞬間、何かが俺を優しく包み込んだ


これは...




以前にも経験したことのある感覚だった




「....ロ。クロ...。クロロ...」


優しく俺の名を呼ぶ声でそっと目を開けると、安心した顔で俺を覗き込んでいるAがいた




「A....？」


「良かった、意識はあるね。苦しかったよね？大丈夫？？」



優しく問い掛けてくるAの声に先ほどの恐怖が蘇ってくる



「怖かったに決まってるか...安心して、みんな守るから。少し待ってて」


そう言って俺を皆の近くに下ろす

すると、俺の周りに心配してくれていたのか全員集まる









「何だお前？」

「いつ入ってきやがった」




Aが男達に向き直ると後ろの男が、悲鳴を上げながらドサッと倒れ込む



そちらに男たが向き直ると、そこにはハジェスが立っていた





「人身売買を行っているグループはお前達だな」


確信を持った声で言うハジェス



「だったら何だって言うんだよ？」


「兄ちゃん、俺たちに喧嘩売ってんのか？」



「やめとけやめとけ！人数ではこっちが圧倒してんだよ！」



「痛い目見る前に帰んな！！」

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