story.24 ページ34
A松side
にーさん！っていう明るい声で俺は意識を現実へと戻す。
「ん、お帰り十四松兄さん」
トド松の声で後ろを振り返ると十四松が巣を解除してダボついたシャツを軽く口に当てながら、へへへ、と笑っていた。
……やっぱウチの六男天使。
いつまで引きずってんだろうな。
そう思いながらも、今は仕事に集中するという大義名分の元、また思考停止。
そして血のマットが出来てしまった大理石の廊下をつかつかと少しカッコつけながら音を出して歩いていく。
え？だから！カラ兄じゃねーぞ？俺！俺がやったらかっこいいんだって。
まぁね？そんなことはとっくの昔に知ってるけど〜〜笑
バァン、と押す式のドアを両手で一気に開ける。
俺たちのアジトはこういうドアないからやってみたかったんだよなー。なんかあるじゃん？ドラマでこういうの。
そして俺たち3人の目線の先には、呆れたような、苦笑いのような、そんななんとも表現しがたい顔をしたスマートな感じのオールバックのイカツイおっさんがふわふわした椅子に座っていた。
俺が口を開く前に、そのおっさんは話し始めた。
「降参だ。僕の首は差し出すから、これ以上殺戮をやめてもらいたいんだが。松野ファミリーさん」
その声は低く、威厳のあるようで。でも、俺が考えるに、多分僕って言うところからして、悪いやつでは無いのだろう。マフィアという時点で悪く無い奴なんていねーけどねw
そう分析しているとうなじのあたりがピリピリする感じが襲ってくる。
あ、やばい。
そう思った時には、俺様の明晰な頭脳でも追いつかないスピードで、反射的に右腕が横に肩の位置より少し上ぐらいまで上がっていた。
ゆっくりと、熱を帯びている右腕の肘と手首の間ら辺を見てみると、案の定、ツツーっ、と血が垂れているのが分かった。それもまぁまぁな量。
最近新調したスーツも破れている。あーあ、チョロ松にーさんに怒られるわぁ。
呑気に見えるけど、そういう訳にもいかない。腕一本ならこの世界に足を踏み入れた時点で捨てるのなんか別にどうってことない。
問題は俺の後ろにいる可愛い弟2人で、もし俺にこの謎の攻撃が当たっていなければ、軌道から考えてトド松の心臓にジャストミートだった。
え？トド松に当たりそうになった件？怒ってないよ？うん。ちょこーっと生け捕りして、一松に引き渡して死ぬより辛いこと体験してもらおうと思ってるだけだし。
だって俺、やっさしいからね？←
story.25→←レインちゃん描いていただきました！&描いてみました！
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葡萄ゆづゆ(プロフ) - まま松さん» コメントありがとうございます！まま松さんの小説は大好きなのでそう言われて嬉しいです！これからも生暖かい目で見てくれたら幸いです！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: 9a1ec58e55 (このIDを非表示/違反報告)
まま松(プロフ) - 男主は初めて拝見させていただきました！とてもリズミカルで面白かったです！六つ子の会話とかが本物っぽくて笑ってしまいました（笑）更新頑張ってください！ (2017年9月1日 17時) (レス) id: adb325526a (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゆづゆ(プロフ) - butterflyさん» ありがとう！めっちゃ嬉しいよ(●´ω｀●)butterflyも作品作ったら見せてね！！ (2017年8月18日 11時) (レス) id: 9a1ec58e55 (このIDを非表示/違反報告)
butterfly - やっぱり文章綺麗ですごいねゆづちゃん！参考にさせていただいております( ´∀｀) (2017年8月17日 23時) (レス) id: 97c9d8dadd (このIDを非表示/違反報告)
葡萄ゆづゆ(プロフ) - ありがとうございます！！カラ松語が苦手なもんで…笑 褒めていただけて光栄で嬉しさで頭がいっぱいです！！頑張ります！！ (2017年8月5日 14時) (レス) id: 9a1ec58e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄ゆづゆ | 作成日時：2017年5月6日 17時
