50話 メフィスト、偽りと初恋。 ページ6
私の名は
メフィスト・ゼイク
名前からわかる通り、
第1位始祖吸血鬼のフラン様の血族だ。
フラン様はピンピンと跳ねた赤毛に
深緑の目を持つ吸血鬼。
見た目は人間で言うと30代程だが、
実際はどのくらい生きているのかもわからない。
私がフラン様にお仕えして五百年は経っている。
先程は『フラン様の血族』と言ったが、
“本当はそうではない”
私達が血族でもなく、
生きているわけでもない事に気づいていない。
否、
気づいているはずなのに忘れている。
いったい、
いつまで御自分を騙し続けるのだろう?
“自らの能力で私達を異能生命体として造り上げた”ことすら忘れている。
『自分は孤独ではないと』騙し続けている。
ああ、私の主。
貴方はいつになったら、
孤独でなくなるのでしょう?
──────────────────────────
─???side
???「ふぅ……………これで最後か。」
書類を整えて、
もうとっくに冷めてしまった珈琲を飲む。
???「やはり出来立が一番美味しいな、鮮血と同じように。」
生まれたての赤子のモノほど美味い血は無い。
古びた屋敷の一室で、
第3位始祖吸血鬼のラノア・フィルスコートが溜め息をついた。
もう、
あれからどれくらい経ったのだろうか?
未だに忘れられない。
初恋の相手であるキュラル・レミナスが死んだのは、雪の降る季節のことだった。
長きにわたり、
対立を続けた吸血鬼と吸血鬼ハンター。
あのハンターどもは、
ラル不在の屋敷を襲った。
ラルは知らせを受けて、
炎に包まれた屋敷に飛び込んだままレインと一緒に帰ってこなかった。
レイン、
レイン・レミナス。
やはりレインがラルの弱点になってしまった。
レインが屋敷に残ってハンターと対決なんてしたから!
レインを助けにラルまで死んでしまった!
………………違うのはわかっている。
これはただの八つ当たりだ。
───────────────────────
──トウマ・フィルスコートside
前作から随分間が空いちまって、
覚えてねぇかもしれない。
と言うわけで自己紹介。
俺は首を絞められて殺されかけていたところを、
ラノア様に血族にされた元人間。
トウマ「悪く思わないでくれ。」
俺はラノア様に、
レインとキュラル様が日本で見つかったなんて言わない
──50話
51話 キュラル、忠告と帽子。→←49話 松岡ユキ、俺と治とパンツ。
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
ラッキーアイテム(全17種)
与謝野先生の蝶の髪どめ
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:つんつん | 作成日時:2017年10月1日 10時