89話 ラノア、手紙と無人邸。 ページ45
私の恩人であり、
友でもあるアイツはもういない。
『生まれ変わり………人間に?』
少しでもまた会いたいと思う。
『否、ハンターと同じ人間だぞ?』
でも、ラルの生まれ変わりだ。
ラノア「ラル、お前はいなくなってもなお私を困らせるな…………」
人間で言う幼馴染みのように、
私が幼い頃からずっと隣にいたと思っていた。
いつの間にか、
吸血鬼の始祖と呼ばれるほど強くなり…………
ラルは私よりも上を行くようになった。
そして、私の見ていないところで“シンダ”
ああ、フランッ!!
覚えていろ…………………………
ラルで遊んでいたことを後悔させてやる。
カァカァ……
窓の外に一羽のカラスがとまる。
その足には、
手紙と思わしき紙が結ばれていた。
ラノア「ん?お前は…………たしかミガンの方に出していた使いのカラスか。」
手紙を読んで私は走り出した。
廊下でメリーとすれ違う。
メリー「きゃあ…………ラノア様?」
ラノア「ゼフェルはまだいるか?」
メリー「はい、恐らくは応接間に。」
勢いよく応接間の扉を開けた。
ラノア「ゼフェル、これを読め!!」
ゼフェル「!?、ラノア殿?」
カサリ、と手紙を広げる。
『フラン邸の防壁が消滅した。』
『…………屋敷は無人であった。』
とかかれていた。
ゼフェル「なッ、フラン邸が無人だった?」
ラノア「非常に不味いぞ、奴は何を考えている……!?」
ゼフェル「あ………………」
ラノア「どうした?」
ゼフェルは気がつきたくないことに、
気がついたように青ざめた。
ゼフェル「キュラル殿の生まれ変わり。」
ラノア「まさかッ!?狙って?」
フランがラルの生まれ変わりを見つけたのなら、やりかねない。
ゼフェル「キュラル殿が危ない。」
ラノア「ゼフェル、ラルの生まれ変わりの所へ行くぞ!!」
二人はこの時既に、
フラン·ゼイクが死んでいたことを知らない。
二人の言うキュラル·レミナスに迫る闇の正体にさえ気がついてはいなかった。
これは、
レインが闇にのまれる一週間以上も前の出来事だった。
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年10月1日 10時