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84話 中原中也、あだ名と対面 ページ40

ゼカルから連絡を受け、
太宰の野郎の位置を特定した。



中也「待ってろよォ!青鯖ァァ!!」

俺は軽々とビルの間を走り出した。



 

アリザ「ミオウ、私を誘拐したのは魚じゃないわよ?人間の形だったわ。」

ミオウ「“青鯖”は太宰治のあだ名ですね。」


その頃少し後ろではそんな会話があって、
アリザは納得しているようだった。






 

キュラルは血族……あァ、家族思いだった。

思い出の数々が、
今も俺の頭の中に溢れている。





だからか太宰の野郎を目の前にした時、
ドクン、と心臓が高鳴った。



『───あァ、コイツだ───』

何処かでアイツが呟いた気がした。


間違いない、
太宰の前世はキュラルと戦ったハンター。


 


中也「……………太宰。」

太宰「…………っ……中也!?」



“奴に異能は効かない”
わかってるのに自然と体から俺の異能力特有の黒いもやが出る。



中也「手前ェ、俺の家族に手ェ出して無事で帰れると思うなよ?」

太宰「家族……それはいったい、誰の事だい?」





一触即発な状態がしばらく続いて、
ゼカルが路地の向こうからやって来た。


ゼカル「中也様。」

中也「よくやった。ありがとなゼカル。」




さて───

中也「妹…リザとレイン、リザは戻ってきたけどよ、レインを何処に誘拐した?」

太宰「中也……………」

中也「あ?」

太宰「妹……いたの?」

中也「義理のだ。」


背後のゼカルの気配に、
ミオウとリザの気配が加わった。


アリザ「また会ったわね…………もう会いたくなかったけど。」

太宰「冷たいじゃないか、リザちゃん。」

アリザ「その呼び方やめて、あなたに言われると寒気がするわ。」

中也「リザ、コイツが誘拐犯だな?」

アリザ「そうよ、血で教えたでしょう?」

中也「ハンカチのな、ありがとよ。」



何でコイツがリザとレインを誘拐したのか。

そんなことを考えてると、
太宰が話し始めた。

太宰「レインちゃんが前世について話してくれなくてね。」

中也「気持ち悪ィな、心でも読めるのかよ。」

太宰「新しい異能としては素敵だね。」

中也「ンで、続きを話せよ。」

太宰「相変わらず蛞蝓のくせにせっかちだよね…………そこへリザちゃんが来て私を見たら目が赤くなった。」

中也「怪しんだ手前が誘拐したって訳か。」


やっぱりリザの赤くなった目を見たのか。
リザを見るとシュンとしている。




???「太宰っ!!」

その時、
足音が二つ聞こえた

85話 中原中也、ワカメ=誘拐犯。→←83話 ゼカル、追いつめるの楽しい


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設定タグ:文スト , 中原中也 , 吸血鬼   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年10月1日 10時

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