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部屋に戻って先程広げていた観光雑誌に再び目を通していると、部屋のドアがノックされる。返事をしてドアを開ければ、そこに居たのは準備万端となったAだった。
「おまたせい」
「おー……」
「なに…？」
「あぁ、いや…オメー化粧とかすんのな。」
目の前に現れた姿をまじまじと見ていると困惑の声をあげたA。予想だにしなかったものを目の当たりにした俺は、誤魔化す余裕も無く率直な言葉を並べてしまう。
もしかしたら、さっき寝起きのAを見てしまったせいなのかもしれない。寝顔は普段の顔よりもだいぶ幼く見えたし、寝起きの気の抜けた顔は俺の中の庇護欲のようなものを掻き立てられた。
しかし着替えた彼女はちゃんと年相応の見た目…いや、それよりも少し大人びて見えるくらいになっていたし、極めつけは彼女の顔。濃くはないしスッピンというわけでもないと分かるような化粧が施されているその顔は、この前学校帰りに会った時のでもなく、仕事をする時のでもないものに仕上がっていた。所謂プライベート用のメイクなんだろう。
こんなやつでもやっぱり"女の子"、というわけか。
「まあ一応ね。」
「へぇ〜…」
「え、なんか変？？」
俺の意味ありげな言葉にキョトンとした後、焦ったように自分の姿を確認し始めたA。何となしにその姿が面白く思えて、いつものようにからかいたくなってしまう。
「ん〜？雰囲気変わんなって。いい感じじゃねーの？」
「なにそれ…変な快斗」
言いながら俺の脇を通って部屋の中へ入っていくA。そんな彼女の耳は僅かながら紅くなっているみたいだった。
「これが本場のブロードウェイ…最高かよォ…」
「どーだ？今日一日楽しかったか？」
「めっっっちゃ楽しかった！ありがとう快斗！」
「おーよ！」
丸一日Aのことを連れ回して観光したニューヨーク。といってもたった一日だけで回れたのは有名な場所のほんの一部。そんな一日のラストを締めたのはかの有名なブロードウェイミュージカルだった。
上演中隣に座るAをチラ見したところ彼女は嬉々とした表情で舞台に集中していたし、一日中ずっとはしゃいでいたところを見るに楽しませることには成功したみたいだ。
「また観に来たいなぁ」
ホテルへの帰り道。ミュージカルの熱冷めやらぬままのAの話を聞きながら歩いていると、ぽつりとこぼれた言葉。
「また来ようぜ。」と返せば、彼女は嬉しそうな顔で大きく頷いた。
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柯(プロフ) - ミュウトさん» コメントありがとうございます。こちらも返信遅くなってしまい申し訳ないです。亀更新を極めて恐らく亀より遅い歩みになってしまっていますが、更新は続けていくつもりなのでこれからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします😊 (2022年10月30日 22時) (
レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
柯(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます。そして返信が驚く程に遅くなってしまい申し訳ないです。夢主ちゃんは強い子(物理)なのでこれからもっと凄いことをする…かもしれません。どうぞお楽しみに！ (2022年10月30日 22時) (レス) @page38 id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
ミュウト(プロフ) - また戻ってきてくれて嬉しいです！！主様のペースで全然構わないので、ゆっくり更新お待ちしてます(о´∀`о)✿応援しています！！！ (2022年9月26日 23時) (レス) @page37 id: 416a70e64b (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 最高。夢主かっこいい。ブチギレたときタマ踏みつけるぐらいしてほしい。w (2022年3月9日 20時) (レス) @page31 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柯 | 作成日時：2021年7月26日 16時
