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「いや、私今回スーツもってきてないし…」
言葉通りである。仕事着のスーツが無ければ、どんな内容であっても仕事をする気にはなれないのだ。あれは一種の勝負服のようなものだし、最悪スーツじゃなくても仕事着に代わるような服は生憎持ってきていない。
「そこは問題ねーよっ…ほら！」
軽やかな音と共に出てきたのは紛れもなく私のスーツだった。
「いやなんで快斗が持って…もしかして盗んだ？」
「私は " 怪 盗 " ですよ？お嬢さん。」
「あぁ、そう…」
「けけけ〜！」と声高らかに笑う彼の顔面に拳を飛ばしたい気持ちを抑えてスーツをひったくる。まぁ命の恩人のお願いだと思えばやるしかない、か。
ため息をこぼして紅茶を一口。こんなところまで来て仕事だなんてついていない。
「決行日が明後日なのは分かったけどさ、明日何するの？個人行動？」
ふと、疑問に思ったことを口にする。オークションが開かれるのは明後日の夜。もちろんその時間はお互いに仕事をするわけだけど、それを抜くと明日は完全に一日暇になってしまうのだ。
私のその言葉を待っていたかのようにニンマリとし始めた快斗。元の顔がいいからそういう頭の悪い顔もいい感じなのが腹立つな。
「デートしようぜ！」
汚い音ともに口に含んでいた紅茶をカップの中にリバースする。カップを手に持ったままで本当に良かったと思う。そんなことよりコイツは何を言っているんだろうか。デート？急に何？？
私の頭の中は疑問符だらけになって、快斗の思惑がうまく掴めないでいた。そんな私を見て快斗は楽しそうにケラケラと笑っている。
「ごめん、なんて…？」
「で、え、と」
「…………………は？」
考えの読めない快斗の笑顔を訝しげに見るけれど、こいつはそんなこと気にも留めていない様子で。
別に私たちは付き合っているわけではない。そもそも好き同士ですらない。それなのに、デート？今どきの人間にとってのデートって男女で遊ぶことを指すのか…？いやそれなら私も今どきの人間だからそれくらい知っているはずだよな…？あれ…？
己の足りない頭でぐるぐる思考を巡らせたけれどどうにも答えは出そうにない。ドツボにはまったような感覚だ。
「……っていうのは冗談で。観光しようぜ？ふつーにさ！」
「冗談かよ！！！！」
「わりィわりィ」
なんともタチの悪い冗談だ。私の悩んだ時間を返せ。
快斗にしてやられてムカついた私の手が出たのはお察しいただけるだろう。
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柯(プロフ) - ミュウトさん» コメントありがとうございます。こちらも返信遅くなってしまい申し訳ないです。亀更新を極めて恐らく亀より遅い歩みになってしまっていますが、更新は続けていくつもりなのでこれからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします😊 (2022年10月30日 22時) (
レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
柯(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます。そして返信が驚く程に遅くなってしまい申し訳ないです。夢主ちゃんは強い子(物理)なのでこれからもっと凄いことをする…かもしれません。どうぞお楽しみに！ (2022年10月30日 22時) (レス) @page38 id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
ミュウト(プロフ) - また戻ってきてくれて嬉しいです！！主様のペースで全然構わないので、ゆっくり更新お待ちしてます(о´∀`о)✿応援しています！！！ (2022年9月26日 23時) (レス) @page37 id: 416a70e64b (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 最高。夢主かっこいい。ブチギレたときタマ踏みつけるぐらいしてほしい。w (2022年3月9日 20時) (レス) @page31 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柯 | 作成日時：2021年7月26日 16時
