１０ ページ11
部屋でトランプをすると言って子供たちが席を立つ。
トランプならここでもできるはずなのに、わざわざ"部屋で"と付け足したということは。
単純に考えて彼らは何か企んでいるのだろう。問題を起こさないといいけれど、彼らが自由行動をすると何かしら問題が起きるから心配だ。
再びケーキを口に運んでいると、次郎吉さんの携帯が鳴る。
電話相手に対し突然怒り出した次郎吉さんに驚いていると、電話を終えた次郎吉さんと警察たちが一斉に席を立った。
なんだかとてつもなく嫌な予感がする。
してはいけないタイプの悪い予感が。
「「ええっ！？」」
やっぱり私の予感は間違っていなかった。
キッドだけでなく赤いシャム猫までもがご登場とは、もしやこの船には疫病神でもいるんじゃないだろうか。もしくは私が疫病神だったりするのか。もしそうだとしたら申し訳が無さすぎる。
それにしてもいくつか気にかかることがある。
それは、彼のテロ組織がどのようにしてこの飛行船の喫煙室にアンプルを置いたのか、ということ。
まさかなんの装備もしていない人間がその細菌をばら撒くとは考えにくいし、最低でもガスマスクは使うだろう。でもそんなものを持っていたら明らかに不自然だし、バレないように隠し持つなんて普通の人間じゃできっこない。例えば怪盗キッドのような凄腕マジシャンなら可能だろうけど…
それにアンプルを仕掛けるタイミングによっては、飛行船は運航することなどそもそもなかったはずだ。今回はキッドとの勝負ということで、運航直前まで警察による船内の確認がされていた。つまりはアンプルを置けるのは飛行船が飛び立ってからになる。とすると、テロ組織の関係者が
一体誰が＿＿＿＿
「うわぁぁぁ！！！」
突如後ろから聞こえてきた叫びと呻き声。ハッとして振り向けば、視界に入ったのは発疹塗れの藤岡さんで。
「助けてくれぇ…お願いだ…なんだか、具合が悪いんだぁ…」
ゾンビ映画よろしく両手を前に出して迫ってくる彼に私たちは１歩ずつ退いていく。
「うぁぁ…」
「、落ち着け！落ち着きなさい！！」
「死にたくないんだぁ…」
迫りくる脅威にその場にいた全員が硬直する。中森警部の制止も耳に入らないほど恐怖で我を失う彼。これじゃほんとのほんとにゾンビじゃないか。
だとしたら私がこの場ですることはひとつ…彼を強制的に止めることだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柯(プロフ) - 青さん» アンハッピーセット、笑 突然の告白ありがとうございます！！ (2021年7月30日 13時) (
レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
青 - アンハッピーセット一つください！お兄ちゃんに投げつける！！（ヤメロ）好きです（告白）最高かよ。 (2021年7月30日 12時) (レス) id: 157c6e138f (このIDを非表示/違反報告)
柯(プロフ) - 凛堂さん» あばばばありがとうございます！！！そう言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです！！ (2021年7月26日 16時) (レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
凛堂 - めっちゃ面白いですね！！ (2021年7月26日 14時) (レス) id: 1c8e857f37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柯 | 作成日時：2021年7月8日 15時
