側近役なのに!?【小野大輔】 (ページ41)

今日:12 hit、昨日:5 hit、合計:5,091 hit

♪80.嘘だ…。ページ41

小野「うっ」

部屋中血生臭いが漂っている。
今にも吐きそうだった。
床には死体が転がっており、他の部屋と同等、白くて綺麗なはずの床は真っ赤に染められていた。

小野「早く…早く黒也さんに言わないとッ！」

バタン！

部屋を出ようとした瞬間、部屋が暗くなった。

小野「なにっ！？」

「・・・見、タナ……」

誰か……いる。これをやった奴が目の前に…！

小野「フラッシュ！！」

「っ！」

(今だ！)

奴が怯んだ隙に扉に手をかけ外へ出ようとした。
その時光っている間、奴の隣を通る訳だから顔が見える。後で突き止めようと顔を見た。

ありえなかった。
信じたくなかった。
嘘だと思った。

顔の主が

黒也さんだったなんて…

しかも扉を開けようとしても開かなかった。

小野「嘘っ」

黒也「小野……見タな。」

昼間見た黒也さんとは違う。
ドス黒いオーラが身体から出ている。目も赤黒くなっていて…
まるで、さっき目にした血の色そのものだった。

小野「どうして黒也さん！」

黒也「コいつラは皆、私ニ逆ラった奴等ダ。」

小野「逆らった奴等？」

黒也「あぁ、逆らう者ハ皆殺ス。ソウしテイけばこノ国は私ノ思うがマまだ！」

だからって何も殺さなくても…

小野「・・・確かに国に1人は言うことを聞かない人はいるかもしれない。でもその人に、何故ダメでどうしてほしいかを聞いて改善すればいいだけの話じゃないですか！」

黒也「小野、オ前は優し過ギル。」

小野「えっ…」

黒也「世の中ニは話し合いをシテも言うコとを聞かなイ奴がほとンドダ。」

小野「そんなことはっ」

黒也「あるッ！」

小野「っ！」

黒也さんの足元の周りから黒い煙が舞上がる。
まるで、煙が生きているかのように黒也さんの
手や足に絡みついている。

黒也「コの姿ヲ見テミろよ！俺ハ昔人間に騙サれこンな醜い姿ニなっタんだッ！」

小野「そんなっ…」

黒也「これガ現実なンダよ。コの国で俺ニ逆ラった奴は俺ガ殺す。ずット平和で周りからノ評判モ上がル。そしテ俺は人間ヲ殺レる。一石二鳥でいイ話だと思わナイか？」

小野「・・・」

狂ってる。この人は狂ってる。もうこの人は昼に見た優しくていい人ではない。

ただの"化け物"だ。