【色松】恋人の記憶がなくなりました【BL松】 (ページ7)

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sixthstory ページ7

ぱられるしふと？

聞いたことない単語に、いや、何かで聞いたことがある気がする。何だったか…

「パラレルシフト。虚空科学がなんとか…って、TVで見たことない？」

トド松のその答えで合点した。半年前程から騒がれていたニュースだ。なんだか難しい単語がいっぱい出て、俺の理解の範疇を超えていたので、あまり、というか全く関心がなかったが、あまりに騒がしいので、名前だけはうろ覚えで覚えていた。
このあたりは俺の頭脳と記憶力を鑑みると大変珍しいケースだ。

と、そんなことは置いておいて。何しろ覚えているのが名前だけなので、パラレルシフトがどんなものか、トド松に説明を促した。

「やっぱり知らないと思った。………、パラレルシフト。それは、世界は僕達で終わらない。すなわち、【並行世界】の事を表すんだ。…ここからは責任取らないから。」

最後によくわからない台詞を残して、しばらく黙る弟。
数十秒後、またトド松は口を開き、ゆっくりと語り始める。

「僕が見たサイトによると、どうやら一松兄さんの記憶の…ズレ、って言ったらいいのかな、それがパラレルシフトのせいらしいんだ。
何らかの弾みで遠くの並行世界から一松兄さんが来て、でもあまりに距離が遠すぎて、体に異変を感じて、脳が何かを錯覚して、記憶が無くなっている状態になってるらしい。
ちなみに、この遠い、っていうのは並行世界の距離のこと。近いシフトは比較的日常でも起きてて、ほぼ元の世界と変わらない。
でも、なかなか遠い所だと、世界にも違いが生まれるし、副作用、みたいなのが働くこともあるみたい。それはシフトした両方がね。
何か、とか、何らか、とかが多いかもしれないけど、また虚質科学は謎だらけで、わかってないことも多くて。
任意のパラレルシフト、つまり、自分から好きな世界に行ける、というのはまだ開発されていないんだ。
……以上。そうだよね、チョロ松兄さん。」

こくり、とチョロ松は首を縦に振った。

ｰｰｰｰｰｰｰｰ✂ｷﾘﾄﾘ✂ｰｰｰｰｰｰｰｰ
上記のパラレルシフトに関する設定、説明は

「僕が愛した全ての君へ」
「君を愛したひとりの僕へ」

の二冊を参考にしています。