【色松】恋人の記憶がなくなりました【BL松】 (ページ4)

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thirdstory ページ4

「えっと…じゃあ赤がおそ松、兄さん。青がカラ松、兄さん。緑がチョロ松兄さん。黄色が十四松。ピンクがトド松…でいい？」

一松の甘い声が俺の耳を通る。
あの後皆でデカパン博士の所に行った。もちろん一松も連れて。
一松は案の定、【記憶喪失】だった。俺達のことは全くもって忘れ去っているらしい。デカパンが言うには、
［記憶というのは、未だ解明されていないことも多いダス。だから、人や場所などの事は忘れても、言葉を話したり、スポーツをしたり、そんなことは出来てもおかしくないダス。まぁ簡潔に言うと、原因不明の記憶喪失ということダス。］
らしい。
最後の一文だけで良かった気もするが。その後デカパンに記憶を治す薬を頼んだのだが、記憶をいじると、予測不可能の事態が起こりやすいため、無理だと断られた。

そうなりゃ自分たちで治すしかないと、兄貴は言い、myhomeへ帰ってきた次第である。

今はとりあえず自分達の自己紹介と説明中だ。

「そうそう!さっすが一松～♪覚えが早い！で、俺とチョロ松は付き合ってるから！！手ぇ出すなよ！」
「ちょっと兄さん…それ今言う…？」

おそ松早速チョロ松とのことを一松に打ち明ける。
チョロ松はびっくりしているが、心なしか顔が赤いのは気のせいではないだろう。

「カラ松兄さん、言わないの？」

不意に、トド松が聞いてくる。
言う、というのはもしかしなくてもそのことだろう。

『ああ。』

俺はそう返した。
一松は生まれ変わったのだ。記憶を一新して。だから俺が一松の人生を勝手にいじってはいけない。一松がホ●ではないかもしれない。猫好きではないかもしれない。俺を好きになるなんてないかもしれない。だから、俺はその可能性を。一松の可能性を否定しないことに決めた。