【色松】恋人の記憶がなくなりました【BL松】 (ページ3)

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secondstory ページ3

「同じ顔が...5つ...！？」

一松は心底驚いたような顔をしている。
それには流石に兄貴も反応する。

「いやいや、一松～？何いってんの？(汗)そんなん20数年、飽きるほど見てきたじゃん笑笑」
「はあ！？だから誰だよお前...いや、ホントに5つ子とか始めて見た...すっげぇ...。」
『一松...。』

それは言いすぎだ。一体何のドッキリなんだ。
怒りで震える心を理性総動員で平常心に変え、俺は一松に鏡を見るように促す。
もちろん、鏡はいつも枕元にある俺の手鏡だ。

「鏡...？うわっ、何このラメで埋め尽くされてる手鏡...。イッタ...............！？」

案の定、一松が手鏡を見て驚きを隠せないでいる。俺のセンスに痺れて...と言いたい所だが、そうではないようだ。

なあ、一松、お前、もしかして...

「一松、僕が誰か分かる？」

チョロマァァァァァァァツ！！
話の流れぇぇぇぇぇぇぇぇ！！

だが、俺が聞きたいのはまさにそれだった。
だって、おかしいだろう？どこに、恋人に向かってドッキリでもないのに、誰、なんて言う彼女が居るんだ。

「いや、知らないし...っていうか、俺、何。6つ子なの...？」

この答えを聞いて、俺は戦慄した。まさか...
俺は、恐怖で潰れそうになる心臓を抑えつけ、禁断＿＿とは言い過ぎかもしれないが＿＿の質問を一松に投げかける。

『お前は誰なんだ...そして、おれは誰だ...？』

その返答が、俺たちの日常を、奪っていった。

「あんた...え、あ、......分からない...俺...俺...俺って誰...？」