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許可をもらおう ページ36

『皆様、大変恐縮ですが。その女を殺さないでくれますか?』




「………………どういうことだ」

『確かに、その女は貴女方に酷いことをしました………。
しかし、一柱も折ってはいませんよ』


鶴丸さんの、冷たい瞳が俺に移る
心臓が、ギュンと押さえ付けられるように苦しい…………



書類整理の時、たまたま見つけた古びた書物
その、内容はどのように刀剣破壊されたか


事細かに記されたものだった


ここの短刀は、スミレ様の前の主が折っていたのだ
この事実には、俺も心底驚いたけど



「だからなんだ」

『見習いの俺が言うことじゃないですが…………………はっきり言って、殺すことはないと思います』



「………………君に何がわかる」



何もわかんねーよ
とか、流石に言えない………

頬に、冷や汗を流しながら話を続ける



『同情はできません。でも、人間は人間でなんとかします』

「人間が?」



「はっ」と馬鹿馬鹿しいと鼻で笑った鶴丸さん
俺は、視線を障子に移動させる
目の先には、こんのすけが、心配そうにこちらを見る


その瞬間頭がズキッと、痛みはじめた
痛みで、涙が出そう


きっと、出血してる………
早く、終わらせないと



『その女をよこせ』

「嫌だね」

『なぜだ』

「なぜって……………」


鶴丸さんが言葉に詰まった時、スミレ様に近づく


『行きますよ?』

「おい、見習い」

『貴女方には、任せられない。俺たちに、任せてください』

「………………。はぁ、わかった」


三日月さんが、止めに入ったが
渋々と許可を出す


何とか許可を貰えた
どうもすみませんね

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作者名:さプる | 作成日時:2020年4月30日 15時

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