寄り道と友達の愚痴を聞くのは心の余裕がある時に ページ7
とりあえずソファに座って万事屋のことを聞いていると、元気な挨拶と共にメガネをかけた少年が現れる。
「おはようございまーす…って起きてるわけないか。あ!お客さんですか!?」
少年は「すみませんお茶出しますね」なんていいながら台所に引っ込んでまたすぐにお茶をもってやって来る。
勘違いしている様子の少年に銀時が説明する。
「新八、こいつは今日からここで働く「神楽ちゃんのフィアンセ!Aです!よろしく!」
割って入って自己紹介をしたAに新八は驚いたまま動かなくなり、銀時と神楽は必死に訂正する。
ひとしきり自己紹介をしたり楽しく談笑していると神楽がふいに問いかける。
「そういえばAはなんでそんなに手も足も顔もがっちり隠してるアルか?暑くないアルか?」
人間とのハーフとはいえAには確実に夜兎の血が流れている。陽に弱い種族なのだ。そしてなによりAの父は陽の光に焼かれて殺されてしまった。そのトラウマがさらにAの陽の光への恐怖を大きくしていた。
「あー、私半分夜兎なのー!お肌も昔から弱くてさぁ!」
濁し誤魔化してへらりと笑うと神楽は心配そうな顔をして「傘持ってないアルか?ずっとそれじゃ暑すぎネ」と零すと何か思いついたように表情を明るくした。
「なぁA!傘買ってやるヨ!」
「え、でもそんな…悪いよ」
Aが断ろうとすると銀時が大きなため息をつく。
「あのなぁ、そんなきっちり着込まれてたらこっちも暑いってのー。…ほら、金出してやるからさっさと行ってこい。」
これはこの人なりの優しさなんだな。そう感じたAは心が暖かくなる感覚を覚えて笑顔で礼を告げる。
神楽に手を引かれて行った商店街の店で綺麗な水色の番傘を買ってもらい、手足や顔の布を取って歩く。
Aはわくわくとどこか浮き足立っていた。今まで日中の外を避けて外出は夜のみであったことと、ここがはじめて歩く街である事。そして神楽と番傘をさして歩いていること。何もかもが新鮮で嬉しかった。
聞くと神楽は純血の夜兎らしい。幼い頃から持っているその番傘は、Aのものとは違い先が銃になっているのだとか。
「いいこと思いついたアル!Aを姉御に合わせてやるネ!」
「あねご…?誰のお姉さんなの?」
「新八のねーちゃんアル」そう答えた神楽はニカッと笑ってAの手を引いた。
(ばあちゃん、神楽ちゃんが可愛すぎて私困ってます)
人が居なくなるとその人の話をしたくなる→←ほんとに怖くない人は自分のこと怖くないよって言わない
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あまたのしずく(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます!暖かいコメントに安心出来ました。小説の下書き感覚ではありますが、以降が確定するまでは下書き感覚で時々更新していこうかなと思えました。拙文ではありますが、良かったらこれからも読んで下さると嬉しいです! (1月22日 10時) (レス) @page38 id: 815a4cedef (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - 作者様がちょっとでも無理だなとかそういうこと?思ったなら移行を考えてもいいと思います。個人的にはこの小説がすきなので作者様に続けて欲しいとこもあります。ですが最終的には作者様次第だと思います!重く考えず、楽な方を選んでもいいかもしれないです。 (1月3日 15時) (レス) @page38 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまたのしずく | 作成日時:2021年9月14日 4時