心の共鳴 ページ9
見知らぬ謎めいたハンターの青年と協力して、ワンダラーを倒した。ほとんど、私の出る幕はなく青年が一人で全てを倒してしまった。それにしても……強力な光のＥｖｏｌだ。こんな、力を持つハンターは新人なんかではない。先ほどの剣捌きだって、あきらかに新人とはかけ離れていた。そんなことをぼんやりと考えていたとき、先ほど倒したばかりのワンダラーから取り出されたコアが青年の手の中へと降りて来た。
「違うか……」
青年は持っていたコアを握り潰す。光の塵となって消えたコアを見て、私は青年の方へ視線を向ける。
『壊して良かったんですか？』
「ん？」
私の言葉に首を傾げる青年。そんな、青年に私はため息をこぼす。まあ、いいか。異常な場所は、まだあるはず。見知らぬハンターなど無視して、奥を調べよう。
『あなたも任務中なら気をつけた方が良いですよ。ここは、見た目よりもずっと危険ですから』
まあ、私が告げたところでもう遅いけれど。迂闊だった。もう少し、慎重にいけば罠には掛からなかったはずなのに。自分も、まだまだだな。
「もう遅い」
「？」
「ここに入った時点で、罠にかかった獲物だ」
意外。何も考えていないかと思えば、よく周りを観察できてる。
「来い」
ぶっきらぼうに、一言だけ告げて私の手を乱暴さは感じるものの優しい手で私の手を掴んだ。
「？」
そして、優しく私の腕を引っ張ってさらに奥の方へ進んでいく。
『あなたは……いつから、ここに閉じ込められているんですか？ 爆発のときは何かを見ましたか？』
「爆発のときは、寝てた」
『寝てた？ こんな、危険な場所でですか？』
先ほどから話してみれば、この青年は鋭いところもあるようだけど。どことなく天然さを感じさせる。
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作者名：クジラ大好きマン | 作成日時：2024年2月10日 16時
